
6月18日、ワーナーミュージックグループは、イギリス出身のロックバンド、コールドプレイが持続可能性への取り組みの一環として、過去にリリースした全アルバムを再生プラスチック製の「EcoRecord」として再リリースすることを発表した。これらのレコードは、従来のアナログ盤と同様の音質と見た目を維持しながらも、製造時のCO₂排出量を85%削減する注入成形技術を用いて製造されている。
EcoRecordには、リサイクルされたポリエチレンテレフタレート(PET)が100%使用されており、軽量かつ耐久性に優れ、リサイクルしやすい素材である。各140gのLPレコード1枚あたり、平均して9本の使用済みPETボトルが使用されており、これらは消費後に回収され、洗浄・粉砕されて再利用されるポストコンシューマーリサイクル(PCR)方式が採用されている。
今回の取り組みは、Coldplayが昨年発表した10枚目のアルバム『Moon Music』を、世界初の100% rPET製EcoRecordとしてリリースした実績に続くもの。バンドは、ツアー活動においても「Music Of The Spheres World Tour」のCO₂排出量を59%削減するなど、音楽業界における環境負荷低減の先駆者として注目されている。
ParlophoneのManaging DirectorであるJen Ivory氏は、「Coldplayのように持続可能な未来を共に目指すアーティストと協業できることを誇りに思う。EcoRecordは、環境負荷の少ない製造と高音質の両立を実現し、音楽の物理メディアに新たな基準を打ち立てるものだ」と語った。
Coldplayの今回の決断は、環境への配慮と高品質な音楽体験の両立を図るものであり、音楽業界全体における持続可能なイノベーションの重要な一歩といえる。
(原文)COLDPLAY TO RE-RELEASE ALBUMS ON ECORECORDS MADE FROM PLASTIC BOTTLES