Syre、ベトナム・Binh Dinh省とギガスケール繊維リサイクル工場建設に向けた覚書を締結

4月25日、繊維から繊維へのリサイクル技術に特化したスタートアップ企業Syreは、ベトナム中南部のビンディン省とギガスケール繊維リサイクル工場の建設に向けた覚書(MoU)を締結したと発表した。今回の提携は、同省内におけるSyre初の大規模リサイクル拠点設立の可能性を見据えたものである。
同社は2024年5月に1億ドルのシリーズA資金調達を実施した際、最初のギガスケール工場の設置候補地としてベトナムを挙げていた。ベトナムが選ばれた理由は、世界的な繊維サプライチェーンにおける戦略的な位置づけに加え、歴史ある繊維産業と豊富な技術ノウハウへのアクセスのしやすさにある。
今回の覚書に基づき、同社はビンディン省と、投資判断の前提となる条件を満たすための協働体制を築く。その条件には、インフラに近接した工業団地の確保、再生可能エネルギーへのアクセス、リサイクル可能な繊維原料(フィードストック)の供給体制、周辺国からの原料輸入を可能とするパイロット的なライセンス制度などが含まれる。
4月23日にはハノイにて、同社が首相に対して同計画を説明する機会も得ており、ベトナム政府との関係強化も進められている。
同社は今後10年間で世界各地に複数のギガスケール繊維リサイクル工場を設置することを目指しており、地域ごとにテキスタイル廃棄物から循環型ポリエステルへのループを完結させる構想である。1工場あたりの年間生産能力は高品質なPETチップで10万〜25万トンに達し、各プロジェクトでは熟練製造工や技術専門職、運営支援スタッフなど最大600人の雇用創出が見込まれている。
(原文)Syre signs MoU with Binh Dinh Province of Vietnam with intention of establishing Gigascale recycling plant
(日本語参考訳)Syre社、ベトナムのビンディン省とギガスケールリサイクル工場設立の覚書を締結