
3月3日、欧州委員会のvon der Leyen委員長が声明を発表し、欧州自動車産業の将来に関する「Strategic Dialogue」の第2回会合が行われ、その内容について、委員長の考えが示された。
まず、最も重要なテーマが「イノベーション」であるとされ、特に自動運転技術の進展が強調された。競争が激化する中、欧州は自動運転のソフトウェアおよびハードウェアの開発に大きな投資を行う必要がある。そのため、企業がリソースを共同で活用し、共通のソフトウェアやチップ、自動運転技術を開発するための「業界アライアンス」を設立することが合意された。さらに、欧州委員会は試験および運用ルールの見直しを行い、大規模な自動運転車の実証実験も支援する予定。
クリーンモビリティへの移行に関する議論も行われた。CO2排出目標に対する柔軟性が求められており、特に2025年の目標とその遵守に関して業界の声を反映させることが重要であるとの認識が示された。欧州委員会は、CO2基準規則の改正案を提案し、目標達成のための期間を3年に延長する「銀行・借用」の原則を導入する予定である。この措置は業界にとって呼吸の余地を提供し、目標達成の期限を遵守することを目的としている。
最後に、競争力強化が求められた。特に、バッテリー供給チェーンの強化が課題であり、欧州内のバッテリーメーカーへの支援策が検討されている。輸入バッテリーが安価である一方、EU内での生産が進む中でも、EVの価格が上昇することは避けなければならない。このため、EUのバッテリー生産者への直接的な支援や、バッテリーやその部品に対して生産を欧州で行うことが要求されるようになる。加えて、規制の簡素化が引き続き行われる予定だ。
これらの施策は3月5日に発表された「Action Plan」に盛り込まれている。
【参照ページ】
(原文)Press statement by President von der Leyen on the Strategic Dialogue on the Future of the Automotive Industry
(日本語参考訳)自動車産業の将来に関する戦略的対話に関するフォンデアライエン委員長のプレス声明