IKEA、ゼロエミッション配送目標を再設定

2月、IKEAのフランチャイジーであるIngka Groupは、ゼロエミッション配送の目標を再設定し、2028年までに家庭配送の90%以上をゼロエミッション車両で行うことを目指すと発表した。これにより、初期の目標である2025年までに100%ゼロエミッション配送を実現するという野心的な目標は現実的な目標に修正された。再設定された目標は、企業が直面している課題を反映したものであり、現実的かつ達成可能な範囲に引き下げられた。

Ingka Groupは、ゼロエミッション配送を推進するために2018年から取り組んできたが、過去の進捗にはいくつかの課題があった。特に、充電インフラの整備が予想以上に遅れ、COVID-19パンデミックにより電気自動車(EV)の供給が影響を受けた。また、配送先が遠隔地である場合、車両の走行距離や製品の重さが配送スピードに影響を与えることもあった。こうした理由から、Ingka Groupはゼロエミッション配送の完全な実現に向けた現実的な目標に調整することを決定した。

しかし、Ingka Groupは依然としてゼロエミッション配送への強いコミットメントを維持しており、2024年9月には家庭配送の41.1%をゼロエミッション車両で実施するまでに進展した。前年の24.6%から大きく向上しており、充電インフラの拡充と新たな政策の導入により、さらに加速することが期待されている。

今回の目標再設定は、IKEAのゼロエミッション配送への取り組みが現実的な課題に直面しながらも、引き続き持続可能な物流モデルの構築に向けて進展を続けていることを示している。

【参照ページ】
(原文)Zero emissions for home deliveries
(日本語参考訳)配送のためのゼロ・エミッション

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-3

    英・豪銀行連合、中小企業のスコープ3把握支援で新会社 50兆ドル市場開拓へ

    6月24日、英ナットウエスト・グループ、豪州ナショナル銀行(NAB)、英スタンダードチャータード傘…
  2. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  3. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る