炭素回収技術のMantel、シリーズA資金調達で3000万ドルを調達

9月5日、炭素回収技術を提供するMantel Capture, Inc.(Mantel)は、Shell VenturesとEni Nextが共同リードするシリーズA資金調達で3000万ドル(約42億円)を調達したと発表した。この資金は、産業サイトでのデモプロジェクトの実施と、Mantelの高温炭素回収システムの本格的な商業展開への道を開くために使用される予定である。同社の技術は、すでに実験室規模で1日あたり500kgの炭素回収を実証しており、今後のプロジェクトでは約10倍の規模で、産業サイトで年間1800トンのCO2排出を回収する予定である。

Mantelは、唯一の高温液相炭素回収材料である溶融ホウ酸塩を活用して、排出源でCO2を回収する。同社のシステムは、高温で作動することにより、CO2を捕捉(吸収)する際に高品位の熱を回収し、溶融ホウ酸塩の再生(脱離)に必要なエネルギーを相殺する。これにより、Mantelは産業排出から効率的にCO2を回収し、従来のアミンベースの炭素回収技術と比較して回収コストを半分以上削減することができるため、重工業サイトでの炭素回収技術の設置が経済的に実現可能になる。より多くの炭素回収装置が設置されるにつれて、インフラへの投資が促進され、炭素回収、輸送、貯蔵のコストがさらに低下することが期待される。

【参照ページ】
(原文)Mantel Secures $30 Million to Bring Low Cost, Energy Efficient Carbon Capture to the Heavy Industrial Sector

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-29

    イベントレポート サステナビリティ経営フォーラム2025

    『本質に迫る対話とデータ活用 ~信頼を築く情報開示と戦略の再構築~』 ESG Journal…
  2. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  3. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る