Net-Zero Asset Owner Alliance、IPCCの第6次評価報告書の公表を受け、声明を発表

8月9日、2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラルにコミットするイニシアティブである「Net-Zero Asset Owner Alliance」はIPCCの第6次評価報告書の公表を受け、次のような声明を発表した。

【参考】IPCC報告、気候の限界が近づいていることを警告し、政府と企業の行動を促す

IPCCが発表した内容によると、世界の炭素排出量の現在の軌道が推定炭素収支量を急速に上回っているため、私たちの地球と地域社会にとっての気候関連リスクは予想以上に高まっています。

また世界的な行動と経済の迅速な転換が遅れているため、今世紀末(2100年)までに世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるために、2050年までに排出量をネット・ゼロにするという目標から遠ざかっています。

国連が主催する「ネット・ゼロ・アセット・オーナー・アライアンス」のメンバーは、総額7兆米ドル近いAUMを有しており、投資家、企業、政府に対し、気温上昇を抑えるために、二酸化炭素の排出量を急速に削減する変革的な手段を採用することで、決定的な行動を起こすよう求めます。

我々は、政府、規制当局、セクター、企業が、発表を超えて、必要な投資を支えるための具体的かつ実行可能な炭素削減戦略を早急に採用することの重要性を強調しています。

2025年に向けて科学に沿った暫定目標を設定することは必要ですが、十分ではありません。アライアンスのメンバーは、個々に、またアライアンスが行う活動を通じて、その移行を積極的に支援する用意があります。さらに、アライアンスメンバーは各国政府に対し、低炭素経済への迅速かつ公正な移行につながる環境を提供するよう求めます。

【参照ページ】
(原文)NET-ZERO ASSET OWNER ALLIANCE: INVESTORS, COMPANIES AND GOVERNMENTS MUST ACT DEFINITIVELY AFTER IPCC AR6
(日本語訳)Net-Zero Asset Owner Alliance、IPCCの第6次評価報告書の公表を受け、声明を発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る