11月28日、米ESG投資推進NGOのセレスは、世界大手53社の森林破壊対策評価報告書を発表した。同報告書によると、商品主導型の森林破壊に取り組み、ネット・ゼロへの進展を推進する意欲的な行動をとっている企業はほとんどないことが明らかになった。
評価の対象企業は、アディダス、カーギル、レストラン・ブランズ・インターナショナル、P&G等である。これらの企業は、大豆、木材、パーム油のような森林破壊に関連する商品を調達することによる最大のリスクに直面しており、森林破壊対策の重要性を認識しているにもかかわらず、そのほとんどが強固な森林破壊防止政策を欠いていることが明らかとなった。
スコア決定のため、セレスは、各企業のウェブサイトやサステナビリティ報告書、CDPアンケートなどの企業情報公開を含む、各企業の森林破壊政策に関する公開情報の厳密な分析を行った。各企業は、アカウンタビリティ・フレームワーク・イニシアチブ(AFI)の「強固な森林破壊防止方針」に関するガイダンスに沿った4つの主要指標に照らして評価された。
- その企業が調達するすべての関連商品(大豆、牛肉、パーム油、木材、ココア、コーヒー、ゴム、またはそれらに由来する製品など)をカバーするマルチ/クロスコモディティ森林破壊防止方針を持っているか
- 会社の方針は、すべての地域にわたるサプライチェーンのすべてのセグメントをカバーしているか
- その方針には、2025年までに森林破壊のないサプライチェーンを達成するという、期限を定めた定量化可能なコミットメントが含まれているか
- その方針には、2020年またはそれ以前の削減目標が含まれているか
調査結果によると、EUDRの対象となる全商品をカバーする方針を持っている企業は、調査対象企業のうち18社に過ぎず、サプライチェーンの全セグメントと調達地域をカバーする森林破壊防止方針を持っている企業は、わずか4社(アマッジ、ケリングSA、モンディ・グループ、スザノ)であることが明らかになった。
ほとんどの企業がノー・デフォレステーション方針を完全に実施する目標期日を定めているが、推奨されている2025年のノー・デフォレステーション目標期日を達成するのに十分な野心的な方針は8社のみ。また、EUDRが要求しているように、2020年以降に伐採された土地での商品生産を禁止する期限を定めている企業は、ほんの一握りであった。
【参照ページ】
(原文)Dozens of major companies lack comprehensive deforestation policies, new Ceres analysis finds
(日本語参考訳)セレス、世界大手53社の森林破壊対策を評価