フランス、責任投資ラベル付きファンドから化石燃料企業を禁止

フランス、責任投資ラベル付きファンドから化石燃料企業を禁止

11月8日、フランスのブルーノ・ル・メール経済・金融・復興相は、フランスの社会的責任投資(SRI)ラベルの一連の更新を発表した。本ラベルは、SRIラベル付きファンドからほとんどの石油・ガス企業を事実上除外する新たなルールを含む、より厳しく気候変動志向のラベルにすることを目的としている。

SRIラベルは、フランス経済財務省が2016年に立ち上げたもので、ESG原則を統合した貯蓄手段への一般投資家の投資を可能にすることを目的としている。独立機関による厳格なコンプライアンス・プロセスを経て付与されるこのラベルは、生命保険の口座単位や退職貯蓄プランで体系的に参照されている。

現在、7,700億ユーロ(約124兆円)以上の運用資産に相当する約1,200のファンドがSRIラベルを利用している。

今回の更新は、ル・メール首相が2021年にSRIラベルの野心と要件を強化することを目的とした委員会を発足させたことを受けたもので、経済財務省は、2016年以来大幅な更新が行われていないと述べている。

委員会の勧告に基づき、SRIラベルは、より厳格な要件と気候変動への影響を主要な原則とするよう更新される予定である。新しい規則では、SRIラベルの付いたファンドは、石炭や非在来型炭化水素を開発する企業や、新しい石油やガスの探査、生産、精製プロジェクトを立ち上げる企業を除外することが求められる。

また新規則では、SRIラベル付きファンドに組み入れられる企業に対し、パリ協定に沿った移行計画の策定が義務付けられる。

【参照ページ】
(原文)France’s SRI label reform: A greener path for responsible investment
(日本語参考訳)フランスのSRIラベル改革: より環境に優しい責任投資の道

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-5-8

    IFRS、EFRAG、ISSB/CSRD報告基準に双方に対応する企業向けガイダンスを発行

    5月2日、IFRS財団と欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、ESRS-ISSB基準の相互に共…
  2. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  3. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…

ピックアップ記事

  1. 2024-5-2

    環境NGO、MUFG、SMFG、みずほFG、中部電力に気候変動株主提案を再提出

    4月15日、環境NGOの3団体は、MUFG、SMFG、みずほFG、中部電力の4社に対し、気候変動株…
  2. MUFG

    2024-4-30

    MUFG、サステナブルファイナンス目標を100兆円に引き上げ

    4月1日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、サステナブルファイナンスの実行額目標を…
  3. 2024-4-30

    経産省とJPX、SX銘柄2024として15社を選定

    4月23日、経済産業省と東京証券取引所(JPX)はサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX…

ページ上部へ戻る