8月8日、アメリカン航空は、航空機による温室効果軽減に向け、衛星画像によって検証された飛行機雲回避に関する初の研究結果を発表した。
飛行機雲は、飛行機が湿度の高い層を通過する際に発生し、条件によっては巻雲として数分から数時間持続することもある。飛行機雲は、日中は太陽光を反射して宇宙空間に戻すことができるが、夜間は特定の飛行機雲が地球の大気圏内に熱を閉じ込める可能性がある。
本研究は、米グーグルの研究部門グーグル・リサーチとブレークスルー・エナジーが主導し、アメリカン航空が協力した。本研究では、飛行機雲が発生しやすい大気ゾーンを特定できるかどうかが検証された。研究チームは、これらのゾーンの位置に関するデータを提供された場合、パイロットが飛行中に飛行機雲を発生させないことが可能かどうかを判断した。
グーグル・リサーチとブレークスルー・エナジーは、衛星画像、天候、飛行経路データなどの大規模なデータセットを収集した後、AIを使って飛行機雲予測図を作成した。少人数のアメリカ人パイロットが6ヶ月間にわたり70回のフライトを行い、AIに基づく予測を用いて、飛行機雲が発生すると予測されるルートを微修正した。
テスト飛行後、グーグルリサーチは衛星画像を分析した。パイロットがAI予測を使って飛行機雲の発生を回避したフライトでは、パイロットが予測を使わなかったフライトに比べて、距離で測定して飛行機雲の発生が54%減少したことを発見した。この最初の実証結果は、少数のフライトではあるが、商業フライトが飛行機雲の発生を確実に回避できることを示している。この成功を再現し、規模を拡大できるかどうかを判断するためには、さらなる研究が必要となる。
【参照ページ】
(原文)American Airlines participates in first-of-its-kind research on contrail avoidance
(日本語訳)アメリカン航空、飛行機雲回避に関する世界初の研究結果を発表