1月23日、イタリアのエネルギー企業であるEniは、同社の再生可能エネルギーと脱炭素化の目標に関連した負債コストを持つ、イタリアで初の個人投資家向けSLB(持続可能性連動債)20億ユーロ(約2,834億円)の発行が完了したことを発表した。
同社は、非常に強い需要に後押しされ、発行規模が当初の10億ユーロ(約1,417億円)から倍増し、当初の割当額に対して10倍以上の応募があったと報告している。30万人以上の投資家から100億ユーロ(約1.4兆円)を超える注文を集め、発行は予定の2月3日を大幅に上回る1月20日に終了した。
サステナビリティ・リンク債は、サステナブルファイナンスの中で最も急速に成長している分野の一つで、発行体の特定のサステナビリティ目標の達成度に連動した利払いなどの特性を備えている。グリーンボンドなどでは、調達した資金を特定のグリーンプロジェクトにしか充当できないのに対し、サステナビリティ連動型融資は、調達資金を一般企業の目的に柔軟に使用できるため、企業の関心が急速に高まっている。
Moody’s Investors Serviceは、発行体のSLB目標の信頼性と堅牢性に対する市場の監視が強まったことや、このセクターが高利回り債の発行にさらされていることなどを要因として挙げている。
最近の強力な発行には、Air-France KLMとSK HynixのSLBが含まれる。
EniのSLBは、再生可能エネルギーの設備容量や上流のスコープ1および2のカーボンフットプリントなど、脱炭素社会の実現に向けたEniの業績と社債の発行コストを連動させる内容となっている。この5年債は、当初は年4.3%のグロスクーポンが支払われ、目標が達成されなかった場合は、満期時の最終支払額が0.5%増額されることになっている。
【参照ページ】
(原文)EXTRAORDINARY SUCCESS FOR ENI’S FIRST SUSTAINABILITY-LINKED BOND DEDICATED TO PUBLIC IN ITALY: EURO 2 BILLION OF TOTAL AMOUNT
(日本語参考訳)エニ、イタリアで初の公共向けサステナビリティ・リンク・ボンドに大成功 総額20億ユーロを達成