1月6日、伊藤忠商事は、子会社であるグリッドシェアジャパンを通じて、小売電気事業者と提携して株式会社NFブロッサムテクノロジーズが製造販売する家庭用蓄電池を遠隔で制御する実証を順次開始することを発表した。本取組を通じて、冬季に予想される電力需給逼迫の回避、及び小売電気事業者の電力調達コストの低減等、再生可能エネルギー大量導入時代における電力需給の最適化を目指す。
2022年度冬季の日本における電力需給状況は、ウクライナ情勢による燃料の高騰・調達難や、新型コロナウイルスによる生活様式変容による在宅率増加に伴う電力需要増等が重なり、供給不足が懸念されており、幅広い分野において、無理のない節電や省エネ対策が求められている。
また、脱炭素化社会の流れの中で導入が加速する再生可能エネルギーは、発電量が天候等によって変動するため、蓄電池等による調整力が必要とされている。高度に制御が可能な蓄電池による調整力を活用することで、再生可能エネルギーの更なる普及に寄与すると見込まれている。
同社は、これまでに販売をした約5.5万台の家庭用蓄電池の内、AIを活用して電力の最適制御を行うグリッドシェアジャパンのネットワークに接続されている約3.5万台の蓄電池を活用し、小売電気事業者との連携を通じて、電力需給逼迫の回避、調整力の確保を目指す。
グリッドシェアジャパンの提供する蓄電池AIサービスを利用している顧客を対象に、蓄電池を使った電力の需給バランスを調整する実証を行う。具体的には、電力需給が逼迫し、市場での電力調達コストが高騰しやすい時間帯に、提携する小売電気事業者の要求に応じてグリッドシェアが遠隔で蓄電池を充放電することで、事業者の電力の使用を抑制し、電力の需給バランス調整する。本実証の参加者には、その対価が支払われる。
伊藤忠商事は、幅広く蓄電池ビジネスを展開しており、社会課題解決に具体的なアプローチを行っている。本取組を通じて、今後一層日本の電力産業に対するソリューション構築ならびに脱炭素社会における分散型エネルギーの実現に向けて貢献していくという。
【参照ページ】
家庭用蓄電池によるデマンドレスポンス実証を開始