SuMPO、環境ラベルプログラムの運用改善を発表。PCR策定の負担低減

8月7日、サステナブル推進機構(SuMPO)は、「SuMPO環境ラベルプログラム」におけるPCR(Product Category Rule:製品カテゴリールール)の運用を改善すると発表した。PCR策定の負担低減のために「PCRモデレーター制度」を新たに導入するとともに、PCRのプログラム外での使用も可能とする。

同団体によると、カーボンニュートラル実現への対応やESG投資の進展に伴い、カーボンフットプリント等の環境情報に関するニーズが世界的に増大しており、国内では、ISO国際規格に準拠した信頼性・透明性の高い環境定量情報を開示する「SuMPO環境ラベルプログラム」への注目が高まっている。こうした流れを受け、今回の運用改善を決定した。

新設した「PCRモデレーター制度」では、PCRの新規策定時に、事務局がLCAエキスパートの中からPCRモデレーターを選定する。選定されたPCRモデレーターが主体となり、ワーキンググループ募集・原案作成・試算などのPCR策定作業を参加企業と協議のうえ行う。

製品種別の算定と宣言の基本ルールであるPCRの策定においては、その専門性の高さ、工数の多さ、費用面などから新規策定提案者の負担が大きかった。そこで、これまで提案者が担ってきた作業をPCRモデレーターが担当する仕組みに変更。さらに、PCR策定に係る費用を一定条件下で原則無料とし、費用面での負担軽減も図っている。

また、PCRのプログラム外での使用制限を緩和することにより、利用しやすいプログラムとしてさらなる発展を目指す。従来は「SuMPO環境ラベルプログラム」内での利用に限定していたが、PCR利用料を条件にプログラム外での利用が認められるようになった。

本制度は、2023年8月より順次受付を開始し、準備が整い次第、本格稼働を目指す。

【参照ページ】
“SuMPO環境ラベルプログラム”の運用改善のお知らせ-「PCRモデレーター制度」の導入とPCRのプログラム外使用の緩和-

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-20

    SEC議長、ESG株主提案の政治化に警鐘―「企業統治の本質に立ち返るべき時」

    10月9日、米証券取引委員会(SEC)のポール・S・アトキンス議長は、デラウェア大学のジョン・L・…
  2. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…
  3. 【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    2025-10-15

    【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る