PRI、2025年までの新たな気候変動シナリオを発表

10月18日、責任投資原則(PRI)は、Inevitable Policy Response(IPR)プログラムの一環として、2025年までの気候政策の加速に関する主要な新しい予測政策シナリオ(FPS)を発表した。この予測では、政策立案者が現在の各国の脱炭素化計画に基づいて、重要かつ現実的な政策行動を行えば、2℃を大幅に下回るというパリ協定の達成が可能であることを示している。

新しいグローバルIPR予測政策シナリオ(FPS)は、起こりうる政策展開を高精度で予測し、実体経済への影響を評価するもので、2025年までに気候政策を大幅に加速させる可能性があることを明らかにした。

投資家が気候政策のリスクと機会にどのようにアプローチするかをリセットするきっかけとなった影響力の大きい「2019年予測」に続き、今年のFPSアップデートでは、21の主要経済国を詳細にカバーし、CO2の総排出量が2050年までに80%減少し、温暖化を2度(1.8度)よりもはるかに低い温度に維持できる可能性が2分の1になると予測している。

排出量の削減は、エネルギーシステムにおける強力な政策によって推進される。具体的には2030年にはゼロエミッション車が全自動車の約30%を占め、2026・27年以降は石油消費の衰退が加速する。また風力発電と太陽光発電は現在の3倍以上となる世界の発電量の30%以上を占めると予測されている。

【参照ページ】
(原文)Major new policy forecast commissioned by PRI shows rapid policy acceleration by 2025 would bring ‘below 2C’ Paris Agreement within reach
(日本語訳)PRI、2025年までの気候変動シナリオであるFPSを発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-28

    ネイチャーポジティブ経営の重要性が増大・企業に求められる対応とは?(再掲)

    ※2024年3月5日公開済みの記事に「移行計画」「ネイチャーポジティブ宣言」に関する情報を一部更新…
  2. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-4

    ネットゼロ・バンキング・アライアンス、新たな枠組みへ移行検討―会員投票を開始

    8月27日、世界の銀行業界における気候変動対応を主導してきた「ネットゼロ・バンキング・アライアンス…
  2. 2025-9-3

    ESG資産の成長継続へ、AIとエネルギー転換が次の焦点―にBBG調査

    8月25日、ブルームバーグ・インテリジェンスは2025年春に実施したESG投資家調査を発表した。約…
  3. 国内外のサステナビリティ開示動向(2024年度)ーGPIFサステナビリティ投資報告書が示す課題とは-

    2025-9-3

    国内外のサステナビリティ開示動向(2024年度)ーGPIFサステナビリティ投資報告書が示す課題とは-

    8月29日、GPIFが2024年度サステナビリティ投資報告書を公表した。本報告書では、気候関連開示…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る