Global CanopyとUNEP FI、TNFDに沿った最初のテストプロジェクトを実施
10月21日、自然関連財務開示タスクフォース(TNFD)の設立パートナーであるGlobal CanopyとUNEP FIはTNFDに沿った最初のテストプロジェクトを行っていることを明らかにした。
このプロジェクトでは、WWFの技術的支援のもと、McDonalds、Rabobank、 Santander、Tesco、Vitasoyなどの厳選された金融機関や企業を対象に、消費財セクターにおける自然関連リスクの探索的なフレームワークを開発し、テストする。
本プロジェクトでは、消費財セクターの中でも、自然に大きな影響を与え、財務リスクにつながる可能性のある食品小売、包装食品・食肉、食品流通、農産物といった特定のサブ業界に焦点を当てている。
具体的には、6月に発表されたTNFDの技術的範囲案に沿って、大豆のサプライチェーンで活動している、あるいは資金を提供している組織が、自然関連のリスクを評価・測定し、開示する能力を探ることを目的としている。 大豆のサプライチェーンが選ばれたのは、自然に関連した金融リスクが特に高いことと、関連データが比較的よく入手できることが理由である。また、大豆は森林破壊に関連する4つの主要商品の一つであり、熱帯林の喪失は生物多様性の喪失の大きな要因となっている。
テストすべき重要なコンセプトは、TNFDの自然関連リスクの初期定義である。TNFDは、短期的な財務リスクに加えて、組織の自然への影響や依存性に代表される長期的なリスクを含めることを提案している。 Glabal Canopy とUNEP FIは、企業や金融機関が現在どのように自然関連のリスクを定義しているか、そしてそれがTNFDのテクニカルスコープ案で示されている定義とどの程度一致しているかを評価する予定である。
評価すべきもう一つの優先事項は、TNFDフレームワークの4つの柱(ガバナンス、戦略、リスク管理、測定基準と目標)である。この4つの柱は、自然関連のリスクの開示を構造化して導くことを目的としている。これは、気候関連開示に関するタスクフォース(TCFD)が使用しているフレームワークを再現したものである。TCFDのフレームワークと密接に連携することで、TNFDは、2つのフレームワークが時間の経過とともに補完し合い、気候・自然関連のリスクの包括的な情報を提供することを意図している。
【参照ページ】
(原文)TOWARDS A TNFD FRAMEWORK: TESTING NATURE-RELATED RISK REPORTING IN THE CONSUMER STAPLES SECTOR
(日本語訳)消費財セクターにおける自然関連リスク報告の検証