Virgin Atlantic航空、史上初の「ネット・ゼロ」大西洋横断飛行を実施

Virgin Atlantic航空、史上初の「ネット・ゼロ」大西洋横断飛行を実施

12月16日、英国政府は2023年に計画されている、100%持続可能な航空燃料でロンドンからニューヨークまで飛行する、史上初の「ネット・ゼロ大西洋横断便」の運航資金を得るためのコンペに、Virgin Atlantic航空が勝利したことを発表した。

持続可能な航空燃料(SAF)は、現在、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の2~3%を占める航空業界の脱炭素化に貢献する重要なツールの一つと考えられている。SAFは一般的に、廃油や農業残渣など、持続可能な資源から製造される。SAFの生産者は、従来の燃料と比較して最大80%の温室効果ガス排出量の削減が可能であると見積もっている。

英国政府は今年初め、2023年末までに100%持続可能な航空機燃料による史上初のネット・ゼロの大西洋横断飛行を実現することを約束し、燃料製造コストの高さ、インフラと生産の規模拡大のための多額の投資の必要性、原料の入手性など、SAF利用拡大への障害を解決する一連の取り組みの概要を発表した。

今回の発表は、英国政府が7月に発表した、2050年までに航空機の運航を完全にゼロにする戦略「ジェットゼロ」と、先月英国空軍が行ったSAF100%使用の世界初の持続可能燃料軍用輸送機飛行の成果にもつながるものだ。

Virgin Atlantic航空のフライトは、使用済み食用油などの廃油や油脂から作られた燃料を使用する予定である。ネット・ゼロを達成するために、本フライトでは、大気中から取り出した炭素を捕捉して貯蔵する素材であるバイオチャークレジットによる炭素除去を併用する予定である。

Virginは、Rolls-Royce、Boeing、Imperial College London、University of Sheffield、Rocky Mountain Institute(RMI)、ICFなどのコンソーシアムと協力して、このフライトを実施すると発表した。飛行は、Rolls-RoyceのTrent 1000エンジンを搭載したボーイング787型機で行われる予定。

【参照ページ】
(原文)Virgin Atlantic to operate historic net zero transatlantic flight
(日本語参考訳)ヴァージン・アトランティック航空、歴史的なネット・ゼロの大西洋横断便を運航へ

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