ブルームバーグ調査:CSRD報告開始で高まるESGデータフローの管理は投資家の課題

CSRD報告開始で高まるESGデータフローの管理は投資家の課題

3月5日、ビジネスおよび金融市場情報サービスプロバイダーのブルームバーグが発表した新しい調査によると、投資家は、報告された企業のサステナビリティ・データのカバレッジや質の問題への対処、新たな規制によるESG報告要件の結果増大する情報量の管理など、一連のESGデータの課題に直面している。

本調査「欧州ESGデータ動向調査2024」では、ブルームバーグがロンドン、ストックホルム、ジュネーブ、アムステルダム、フランクフルト、パリ、ミラノを含む欧州各国の金融市場参加者200人以上を対象に、ESGデータの優先順位付けや課題、データ管理の課題や慣行に至るまで、ESGデータに関する問題を調査した。

本調査で市場参加者が報告したESGデータに関する主な課題は、報告されたESGデータに関するカバレッジと品質の問題で、3分の2近く(63%)がこれを最大の懸念事項として挙げており、次いで「ESGと代替データの組み合わせ」が13%でダントツの2位だった。

投資家は不完全なデータや質の低いデータを懸念事項として捉えている。調査回答者の41%が、ESGデータ管理の最大の課題は「常に進化する新しいESGデータ・コンテンツ」に対応することであると回答しており、さらに25%がESGデータ・コンテンツを既存のデータ・システムにリンクさせることを最大の課題として挙げている。

本調査では、多くの企業が新たに増加するESGデータの扱い方を決めかねていることが示された。回答者の38%がESGデータを独自のソリューションで一元管理していると回答した一方、回答者の約3分の1(32%)は現在、より分散化されたアプローチでESGデータを管理しており、データは事業部門ごとに個別に管理されていると回答し、20%はESGデータ管理戦略を策定中であると回答した。

【参照ページ】
(原文)Bloomberg Survey Reveals ESG Data Coverage and Management as Top Challenges for Firms in Europe
(日本語参考訳)ブルームバーグ調査、欧州企業の最重要課題はESGデータの収集と管理

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る