エニ、炭素回収事業の49.99%をブラックロックに売却交渉開始

5月27日、イタリアのエネルギー企業エニ(Eni)は、同社の炭素回収・利用・貯留(CCUS)事業の49.99%の持分をブラックロック傘下のインフラストラクチャファンド(GIP)に売却するため、独占交渉に入った。今回の動きは、エニが専用部門を設立し、少数株を売却して成長を資金調達するという広範な戦略の一環である。

エニのチーフトランジション&ファイナンシャルオフィサーのフランチェスコ・ガッテイ氏は、同社が低炭素事業を拡大する一方で、石油とガスへの投資能力を維持することが可能になると述べた。

エニCCUSホールディングには、英国のハイネットやバクトン、オランダのL10プロジェクトが含まれ、イタリアのラベンナでの炭素回収プロジェクトの将来の権利も含まれる。交渉中の合意によれば、GIPは持分を取得するだけでなく、CCUSプロジェクト開発への投資もサポートする予定だ。

CCUS技術は、産業プロセスで生じたCO2を大気から除去するか、排出時点で回収し地下に貯蔵する技術である。国際エネルギー機関(IEA)は、この技術が世界の気候目標達成に重要な役割を果たすと述べているが、批評家は化石燃料の使用を延長させるリスクや商業的実現可能性に疑問を呈している。

(原文)Eni: exclusivity agreement signed with GIP for the potential sale of a co-control stake in Eni CCUS Holding
(日本語参考訳)エニ:エニックスホールディングスの共同支配株の売却の可能性についてGIPと譲渡契約を締結

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-6-18

    アキレス、ESG報告を効率化する新ソリューション「Comply360」を発表

    6月10日、サプライチェーンのリスクおよびパフォーマンス管理を手がけるアキレス(Achilles)…
  2. サステナビリティ開示の情報品質とはーSSBJ基準に示されたポイント解説

    2025-6-17

    サステナビリティ開示の情報品質とはーSSBJ基準に示されたポイント解説

    2025年3月にSSBJ(サステナビリティ基準委員会)よりサステナビリティ開示基準が公表され、27…
  3. 2025-6-16

    機関投資家のESG投資への意欲揺るがず―BNPパリバ調査

    5月、BNPパリバの証券サービス部門は世界の機関投資家を対象としたESG(環境・社会・ガバナンス)…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る