
国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、各国の規制当局がISSB基準を採用または活用するにあたっての詳細な計画策定を支援する「ロードマップ策定ツール(Roadmap Development Tool)」を公表した。このツールは、法的枠組みや市場の成熟度が異なる各国が、自国の状況に応じて戦略的に導入計画を設計・評価するための実践的な手引きとなる。
本ツールでは、規制プロセス(How)、対象企業(Who)、開示要件(What)、導入時期(When)の4つの意思決定領域ごとに、各国が検討すべき主要な論点や意思決定ポイントが整理されており、あわせてチェックリストや成果のパターンも提供されている。これにより、各国の選択がどのような制度的アウトカムにつながるのかを可視化し、グローバルな比較可能性や投資家理解にも配慮した制度設計が可能となる。
本ツールは、実質的に同等な情報提供を重視するISSBの原則に基づいており、特に金融市場にとって比較可能なサステナビリティ情報の提供を促進する。今後、各国がこのツールを活用しながら、段階的にISSB基準の導入や活用に向けた計画を策定していくことが期待される。