JLL、Javelin Capitalを買収―米国のエネルギー・インフラ資本市場事業を拡大

3月24日、シカゴのグローバル不動産サービス企業JLL(NYSE: JLL)は、北米を拠点とする再生可能エネルギー分野の投資銀行であるJavelin Capitalの買収を発表した。クリーンエネルギー市場の急成長を背景に、本買収はJLLの米国におけるエネルギー・インフラ資本市場の専門性を大幅に強化するものであり、既に欧州およびアジアで実績のある150件超・200億ドル規模の取引経験に加え、グローバルに展開する資本市場業務をさらに補完する。

Javelin Capitalの買収により、JLLは既存顧客に加えて、インフラ市場への新規参入企業、公的・民間資金、エネルギー投資のニーズに対応できる包括的なソリューションの提供が可能となる。JLL資本市場部門CEOのリチャード・ブロクサムは「米国における体制強化により、アジア・欧州での先進的な取り組みに並ぶサービスを提供し、クリーンエネルギー移行におけるエンド・ツー・エンドの支援体制が整う」と述べた。

Javelin Capitalは2017年に設立され、M&A、資本調達、債務再編、企業財務などに強みを持ち、再生可能エネルギー、蓄電、エネルギー転換分野に特化した16名の専門家チームを擁する。ニューヨークとシカゴに拠点を置き、買収後はJLLのアメリカ資本市場部門に加わる。JavelinのCEO、マット・イーストウィックは「JLLとの統合により、エネルギー転換に関する専門知見を活かし、持続可能な未来の構築に貢献できる」と語った。

(原文)JLL to expand U.S. Energy & Infrastructure Capital Markets capabilities with Javelin Capital acquisition

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る