
3月5日、デルタ航空は、カリフォルニアのスタートアップJetZeroと提携し、従来の旅客機と大きく異なるデザインの次世代航空機の開発を推進すると発表した。新型機「ブレンデッド・ウィング・ボディ(BWB)」は、従来の航空機と比較して最大50%の燃費向上を実現し、国内線および国際線の運航に適した航続距離と座席数を備えている。デルタ航空は、この革新的な技術の商業化に向け、同社の「Sustainable Skies Lab」を通じて運航の専門知識を提供するほか、機内設計の改良にも貢献する。
BWBは、従来のチューブ&ウィング型(円筒胴体+翼)航空機とは異なり、翼と胴体が一体化した形状を採用することで、空気抵抗を減少させ、より効率的な飛行が可能となる。また、エンジンを機体上部に配置することで、騒音の大幅な低減が見込まれている。この機体は、現在の空港インフラにも適応可能であり、持続可能な航空燃料(SAF)の使用にも対応する予定である。
デルタ航空は、2023年にJetZeroが米国空軍からの助成金を獲得した際から協力しており、2027年の実証機の初飛行に向けた技術支援を継続する。JetZeroの共同創業者兼CEOであるトム・オレアリーは、「本航空機は今後10年以内に実用化される予定であり、航空業界の燃料コスト削減と排出量削減に大きく貢献する」と述べた。デルタ航空は、この技術の商業化を支援し、業界全体のカーボンニュートラル達成に向けた重要な役割を果たす方針である。
デルタ航空は、2030年までの温室効果ガス排出量削減目標に向けて、既存の機体の軽量化や燃料効率向上に取り組んできた。しかし、さらなる脱炭素化が求められる中、BWBのような革新的な技術が重要視されている。デルタのアメリア・デルーカ最高持続可能責任者(CSO)は、「現在の燃料消費削減策だけでなく、将来の航空技術の進化にも取り組むことが不可欠」と語る。
【参照ページ】
(原文)Delta, JetZero partner to design the future of air travel by advancing first-of-its-kind, 50% more fuel-efficient aircraft for domestic and international routes
(日本語参考訳)デルタ航空とジェットゼロ社が提携し、国内・国際路線向けに燃費効率が50%向上した初の航空機を開発し、航空旅行の未来をデザイン