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1月23日、イタリアの公益事業大手A2Aは、5億ユーロ規模の初回欧州グリーンボンドの発行に成功したことを発表した。本発行は、欧州タクソノミーに100%適合し、約22億ユーロの注文を獲得、約4.4倍のオーバーサブスクリプション比率を記録した。
発行された債券は10年満期で、再募集価格は99.080%、利回りは3.737%、クーポンは3.625%に設定された。基準ミッドスワップレートに対する最終スプレッドは125ベーシス・ポイントとなった。
本債券は、英国法の適用を受け、機関投資家向けに発行されたもので、イタリア証券市場監督庁(CONSOB)が2024年12月(2025年1月追補)に承認したA2Aの欧州中期債券(EMTN)プログラムに基づいている。全書類の締結後、2025年1月30日よりイタリア取引所(Borsa Italiana S.p.A.)が運営する電子債券市場(MOT)に上場予定である。
EU規則2023/2631に準拠し、発行による純手取金は、サステイナブル・フィッチが検証したファクトシートに記載される通り、フレキシブル・ポケットを使用せずに、エネルギー転換と循環型経済を支えるプロジェクトの資金調達または借り換えに充てられる。これには、電力網や再生可能エネルギーの開発、エネルギー効率化、廃棄物収集などが含まれる。
A2Aの最高財務責任者(CFO)であるルカ・モローニ氏は、「今回の発行により、A2Aはサステナブルファイナンス商品の開発におけるリファレンス機関としての地位を確立した。同新商品は、当グループのESG商品とともに、欧州タクソノミーに適合した投資を通じて、エコロジーへの移行を支援するものである。さらに、A2Aは、イタリア当局承認のEMTNプログラム下で債券を発行するイタリア初の企業となった。本取引は、財務戦略とサステナビリティ戦略の結びつきを強化し、2030年までに持続可能な資金源を90%にするという目標に近づけるものだ」とコメントした。
本取引では、シティグループ、クレディ・アグリコルCIB、インテサ・サンパオロ(ディビジョンIMI CIB)がグローバル・コーディネーターを務め、A2AのESG関連の組成を支援した。また、BBVA、BofA Securities、BNP Paribas、Citigroup、Crédit Agricole CIB、Goldman Sachs International、Intesa Sanpaolo (Divisione IMI CIB)、Mediobanca、Santander、Société Générale、UniCreditがジョイント・ブックランナーを務めた。
法律面では、A2Aはシモンズ&シモンズの支援を受け、ジョイント・ブックランナーはリンクレーターズが担当した。
A2Aは、本債券の成功を通じて、サステナブルファイナンス市場におけるリーダーシップを強化するとともに、環境に配慮したプロジェクトの推進を一層加速させる構えだ。
【参照ページ】
(原文)A2A, first european Green Bond placed on the market
(日本語参考訳)A2A、欧州初のグリーンボンドを発行