6月26日、Accentureは「ESGレポート:コンプライアンスから競争優位性へ」という新たなレポートを公表した。このレポートは、主にサステナビリティ関連の規制と企業の準備状況や意識についての調査の内容がまとめられたものである。
世界中の企業がネットゼロおよびその他の持続可能性目標を達成することを目指す中で、規制環境が急速に進化しており、多岐にわたる新しいESG報告要件が導入されている。Accentureは、ESG規則に従うことが、財務および持続可能性チームに新たな負担となるものの、より優れた情報を収集し、より賢明なビジネス意思決定を行い、サステナビリティから価値を創造するための新しい技術を活用する機会も提供するとした。
同社は、技術能力と人間の創意工夫を組み合わせることで、組織はESG要件の単なる遵守から、イノベーションによってより大きな価値を実現する方向へと移行できることを示した。2023年に同社が行った「Reinvention in the age of generative AI」というレポートによると、連続的なイノベーションを構築した企業(Reinventors)は、2019年から2022年にかけて他の調査回答者と比較して収益が15ポイント増加したという。この収益成長の差は2026年までに37ポイントに拡大すると予測されており、Reinventorsは財務的にも非財務的な指標でも優れているとした。
調査によると、多数のCFO(78%)は、ステークホルダーからのサステナビリティの問題に対する行動を求める圧力を感じているという。しかし、多くの回答者は、自社がこれらの期待と要件を完全に満たす準備ができていないと回答した。今後の規制では、企業が気候変動に関連するリスクと機会について報告し、開示に対する外部保証を求められるが、CFOのわずか22%のみがこれを行う準備ができていると答えた。
また同調査では、組織がサステナビリティ戦略を通じて、単なるコンプライアンスを超えて競争優位性を創出するために、開発する必要がある9つの技術および人材ベースの能力が示された。
記事によると、多くの企業は、ツールについての開発を始めているという。例えば、55%の回答者が関連するESGデータを自動的に収集しており、62%がESGパフォーマンスを文書化するためのフレームワークと管理を導入していると回答。また、60%以上が必要なESGデータを全事業部門で利用可能にしていると回答した。
また、同調査では、ESG測定および管理能力の高い企業は、持続可能性を機会と捉え、迅速に対応することで競争優位を築いていることを示した。強力なESG能力を持つ企業の20%は、サステナビリティを重要な価値創造要素と見なしているが、ESG能力が弱い企業では、サステナビリティを重要な価値創造要素とみなしている企業の割合はわずか9%だという。
Accentureはレポートにて、CFOがサステナビリティに関する課題に戦略的に取り組み、ESG測定および管理能力を構築することで、競争優位を生み出し、持続可能性戦略を加速させることを示した。
【参照ページ】
(原文)ESG reporting: From compliance to compliance to competitive advantage
(日本語参考訳)ESGレポート:コンプライアンスから競争優位性へ