欧州監督機構、グリーンウォッシングに関する最終報告書を発表

6月4日、ESMA(欧州証券市場監督機構)EBA(欧州銀行機構)・EIOPA(欧州保険・企業年金監督機構)からなる欧州監督機構(ESAs)は金融セクターにおけるグリーンウォッシングに関する最終報告書を発表した。

同報告書では、サステナブルファイナンス開示規則(SFDR)とタクソノミー規則に基づく情報の適切な開示を促進し、グリーンウォッシングを防ぐための監督を強化する方針を示した。また、金融商品市場指令II(MiFID II)に基づく製品ガバナンス規則の適用を強化し、投資家保護を確保する。

また、同報告書はEUの金融セクターに焦点を当てているが、グリーンウォッシングへの対応には、金融監督当局間の緊密な協力や、持続可能性の開示に関する相互運用可能な基準の策定を含む、グローバルな対応が必要であることを認めている。今後、監督当局間の協力を強化し、サステナブルファイナンスの分野での監督の一貫性を確保することも目指している。

同報告書では、欧州各国の規制当局がグリーンウォッシング対策を強化している一方で専門知識やデータへのアクセスの制限があることが課題であるとしている。

EBAとEIOPAの報告書ではどちらもグリーンウォッシング疑惑の事例が増加傾向であることが示された。EBAは、グリーンウォッシング疑惑の件数がEUにて前年比26.1%増加と、引き続き増加していると発表。また、EIOPAは、監督機関によるグリーンウォッシング事例の報告件数が2023年では3件であったのが2024年では5件に増加したと発表した。

この一連の取り組みにより、EUの金融市場における持続可能性に関する情報の正確性と透明性が向上し、投資家が持続可能な投資決定を行うための信頼性の高い情報を提供することが期待されている。

【参照ページ】
(原文)ESAs call for enhanced supervision and improved market practice on sustainability-related claims EBA, EIOPA
(日本語参考訳)ESAは持続可能性関連の主張に対する監督強化と市場慣行の改善を求めているEBA, EIOPA

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