BASF等、マラリア制御に向け共同研究を始動

8月17日、スイス熱帯・公衆衛生研究所(Swiss Tropical and Public Health Institute:STPH)は、化学世界大手独BASF、米バイオテクノロジー大手プロメガと共同で、マラリア等の蚊が媒介する病気の制御に向け新たな防虫ツールを研究開発していると発表した。

本研究プロジェクトは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団から資金提供を受けている。8月20日の「世界蚊の日」を記念し、マラリア予防・対策への継続的な投資の必要性を喚起した。

初期段階にある本研究は、標的タンパク質分解誘導化合物(PROTACs)の分野における先行研究を基礎としている。PROTACsは、ピンポイントで細胞内の蚊のタンパク質に作用することで、生態系への影響を最小限に留めることができる。

本共同研究は2022年9月に開始され、3年間から5年間の調査が約束されている。BASFは、蚊に特異的なタンパク質を標的とするPROTACsを提供する。プロメガは、PROTACsの分子が生きた細胞内で蚊のタンパク質と結合し、分解する有効性をテストするアッセイ法を確立する。STPHは、選択されたPROTACsのin vivo試験を実施する。本共同研究の予備結果は、2025年までに公表される予定である。

【参照ページ】
(原文)Innovative research for malaria control driven by three collaborating parties: Swiss TPH, BASF and Promega
(日本語参考訳)BASF等、マラリア制御に向け共同研究を始動

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る