7月18日、ベルギーのブリュッセルで開催されたラテンアメリカ・カリブ海諸国共同体(EU-CELAC)首脳会議の一環として、ウルスラ・フォン・デア・ライエン大統領とチリのガブリエル・ボリッチ大統領は、持続可能な原材料バリューチェーンに関するEUとチリのパートナーシップ確立に関する覚書(MoU)の調印に立ち会った。覚書は、ティエリー・ブルトン欧州委員とチリのアルベルト・ファン・クラベレン・ストーク外務大臣によって署名された。
「EUグローバル・ゲートウェイ戦略」および「重要原材料法」に沿い、本パートナーシップは、両パートナーのクリーンエネルギーおよびデジタル移行に必要な持続可能な原材料バリューチェーンの分野における協力を深めることを目的としている。また、両者の相互利益のために、鉱業部門における原料加工と地元付加価値のための競争力のある持続可能な産業を発展させ、質の高い雇用と持続可能で包括的な経済成長を生み出すことも目的としている。
本パートナーシップは、以下の5つの分野を中心としている。
- 持続可能な原材料バリューチェーンの統合(プロジェクトの共同開発、新たなビジネスモデル、貿易・投資連携の促進と円滑化を含む)
- 鉱物に関する知識や環境・気候フットプリントの最小化など、原料バリューチェーンに沿った研究とイノベーションに関する協力
- ESG基準を活用し、国際基準に合わせるための協力
- 環境と気候への影響を最小限に抑えながら、プロジェクト開発のためのハード・ソフト両面のインフラ整備
- 国際労働基準に則った、持続可能な原材料バリューチェーンに沿った能力強化、職業教育訓練、技能開発
次のステップとして、EUとチリは、覚書調印後に運用ロードマップを作成することを約束した。本ロードマップには、EU加盟国とチリの関係者により実施される協力行動が含まれ、「EUラテンアメリカ・カリブ海地域へのグローバル・ゲートウェイ投資アジェンダ」により支援される。
【参照ページ】
(原文)Global Gateway: EU and Chile strengthen cooperation on sustainable critical raw materials supply chains
(日本語訳)EUとチリ、持続可能な重要原材料サプライチェーンに関する協力を強化