9月7日、国連教育科学文化機関(UNESCO)は、教育・研究機関における生成AIに関する初のグローバルガイダンスを発表した。教育における生成AIの利用について、人間中心のアプローチを確保するために、適切な規制と教員研修を実施するよう各国政府に呼びかけている。
本ガイダンスは、生成AIをめぐる論争と教育への影響、特にデジタル格差の悪化について詳しく説明している。実際、現在のChatGPTモデルについて、グローバル・ノースの価値観や支配的な社会規範を反映したオンライン・ユーザーのデータを基に学習されていると言及している。
また、本ガイダンスは、政府が生成AIを規制し、教育や研究における倫理的な使用のための政策的枠組みを確立するために取るべき7つの重要なステップを定めている。「各国での一般テータ保護規則(GDPR)の整備」「政府のAI戦略の採択及び全体像の構築」「AI倫理に特化した規制の制定」「既存の著作権法を強化した形でのコンテンツ保護」「フレームワーク全体の規制の選定」「教育・研究機関での生成AI利用に関するキャパシティビルディング」「教育・研究機関での生成AI利用に関するあり方についての長期的な継続内省」から成る。教室でのAIツールの使用を13歳までに制限し、このテーマに関する教員研修の実施も求めている。
ユネスコの「人工知能の倫理に関する2021年勧告」と「教育における人工知能に関する2019年北京コンセンサス」に基づき、本ガイダンスは人間の主体性、包摂性、公平性、男女平等、文化的・言語的多様性を促進する。また、2023年5月にユネスコが招集した生成AIに関する初の世界閣僚円卓会議で表明された懸念にも対応している。
【参照ページ】
(原文)UNESCO: Governments must quickly regulate Generative AI in schools
(日本語参考訳)ユネスコ、学校での生成AI利用規制に関する初のガイダンス発行