11月20日、欧州連合(EU)は、NextGenerationEU(NGEU)グリーンボンドの最初の取引から3年以上が経過した今、累計発行額が650億ユーロを超え、世界最大のグリーンボンド発行者への道を順調に進んでいる。2020年の「一般教書演説」でのフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長の発表に基づき、欧州委員会はNGEU財政調達の30%をグリーンボンドによるものとする目標を引き続き追求する。NGEUグリーンボンドは、グリーンボンドフレームワークで定められた9つの分野において、クリーン輸送、クリーンエネルギー、エネルギー効率化などへの2,646億ユーロのグリーン投資を可能にし、サステナブルファイナンス分野でEUのリーダーシップを改めて示している。
NGEUグリーンボンドで資金提供されるすべての施策が今後数年間で完全に実施されれば、EUのグリーントランジションに大きく貢献する見込みだ。年間で5500万トンの温室効果ガス(GHG)排出削減が期待されており、これはEU全体のGHG排出量の1.5%に相当する。この削減量は、EUの家庭1,500万世帯分の排出量や、EUの内燃機関車両2億5,000万台のうち3,800万台を電気自動車に置き換えた場合に匹敵する。これらのデータは、NGEUグリーンボンド配分の気候影響を評価した今年の包括的な分析に基づいており、本日発表された年次報告書に詳細が記載されている。
また、グリーンボンドは投資家にとって、現代の課題に取り組み次世代のための持続可能な環境を創出するという、極めて高い社会的リターンを得る機会でもある。
欧州委員会は2022年に専用の「グリーンボンドダッシュボード」を開設し、NGEUグリーンボンドから調達された資金がどのように投資されているかを完全に透明化している。このダッシュボードは、グリーンボンドで資金提供を受けている施策と関連支出のリアルタイムの概要を提供し、発行が市場の最高基準とベストプラクティスに沿って行われていることを投資家に保証している。
全体として、EUの資本市場における存在感は過去5年間で10倍に増加しており、EUの未償還債券の総額は5,000億ユーロを超えている。変動の激しい世界経済環境の中で、流動性が高く安全な担保としてのEU債券は、ユーロ建て資産の安全なプールを拡大し、リスク分散の機会を提供している。
【参照ページ】
(原文)EU continues to be a global leader on sustainable finance
(日本語参考訳)EUは持続可能な金融において世界のリーダーであり続ける