4月16日、フォーミュラ1世界選手権(F1)が、初めて年次のインパクトレポートを発表した。2022年の温室効果ガス排出量は2018年比で13%減少した。F1は2019年に「Net Zero by 2030」戦略を発表し、2030年までにレース車両、施設、出張、物流で用いるエネルギーからの温室効果ガス排出量を2018年比で総量で50%減にし、残りをカーボンオフセットを通じてネット・ゼロにすることを宣言している。
イベント運営での電力の再生可能エネルギー利用率は、2023年にプロモーターでの使用率が2022年の50%から75%に上昇した。F2とF3では、サウジアラムコとのパートナーシップにより、全レース車両が混合率55%のサステナブル燃料を使用している。欧州での輸送では、委託先のDHLが、廃食油由来のバイオ燃料トラックを18台新規導入し、物流関連の二酸化炭素排出量を平均83%までの削減に貢献した。
F1はさらに、長距離出張の削減や、低炭素化のための移動手段の採用を実施している。2024年には、F1大会でレース車両での100%サステイナブル燃料の使用を目指し、2026年には達成を目指している。F2とF3も2027年からは100%サステイナブル燃料に転換していく計画である。
気候変動以外でも、ラスベガスGPでは、大規模な屋外水消費量の節水技術を導入し、最終的には完全なウォーターニュートラルを目指している。また、プロモーター側でも使い捨てプラスチックの削減や、観客移動の公共施設及びカープールの推奨、イベント後に残った食材の寄付など、さまざまな取り組みを行っている。
F1の上位団体であるFIAは、環境認定プログラムを実施しており、F1は2023年にも「FIA三つ星認証」を維持した。全加盟チームが同認証を取得した世界初のモータースポーツ選手権となっている。
【参照ページ】
(原文)F1 makes ‘significant progress’ in sustainability as first Impact Report released
(日本語参考訳)F1、初のインパクト・レポート発表でサステイナビリティに「大きな進展」