ウェストバージニア州、ESG方針を巡りHSBCとシティの銀行契約を禁止

ウェストバージニア州、ESG方針を巡りHSBCとシティの銀行契約を禁止

4月9日、ウェストバージニア州のライリー・ムーア財務相は、HSBC、シティ、ノーザン・トラスト、TDバンクを含む複数の銀行が、化石燃料企業の「ボイコット」に関与していると判断された金融機関のリストに追加され、同州への銀行サービスの提供が禁止されたと発表した。

ウェストバージニア州は昨年、「ESGの動きから個人を守る」ことを目的とした複数州の同盟に参加し、州および地方レベルでのすべての投資決定におけるESGの使用を阻止し、州のファンドマネージャーが州のために投資する際にESG要素を考慮することを禁止するなどの行動をとっている。

今回の発表で、この4行はブラックロック、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴを含む他の金融機関のリストに加わった。このリストは2022年に州議会で可決されたもので、合理的な事業目的なしに石炭、石油、天然ガス会社との事業活動を拒否、終了、制限していると判断された金融サービス会社が含まれている。リストに掲載された銀行は、州の銀行業務の契約資格から除外される可能性がある。

州の出納局の発表によると、この決定は銀行のESG方針などに基づいて行われた。

また、財務局によると、新たにリストに加わった銀行は、2月にリスト入りの可能性を通知された6行のうちの1行で、”化石燃料企業のボイコットを行っていない “ことを証明する情報を提供するよう30日間の猶予が与えられた。なお、BMOとフィフスサード銀行も通知を受けたが、最終的にはリストに加えられなかった。

この発表を受けて発表された声明の中で、シティ銀行は「財務長官の決定に失望した」と述べ、この指定に同意しなかった。

【参考ページ】
(原文)West Virginia Bars Citi, HSBC From Bank Contracts Over Oil (2)

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  2. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…
  3. GRI 102/103 新基準の実務チェックポイント:IFRS/ISSB基準と一部整合へ

    2025-6-30

    GRI 102/103 新基準の実務チェックポイント:IFRS/ISSB基準と一部整合へ

    サステナビリティ情報開示における基準間の整合性の確保は、ますます重要な課題となっている。CSRD(…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る