2月22日、米ESG投資推進NGOのCeresは、北米の主要食品企業を対象に行った新しい分析を発表した。世界の温室効果ガス排出量の3分の1を占める食品セクターは、ネット・ゼロ・エミッション経済への移行に向け、着実に前進していることが判明した。
Ceresのフード・エミッション50企業ベンチマークによると、「フード・エミッション50」イニシアティブに参加している50社のうち37社がサプライチェーンの温室効果ガス排出量を報告し、そのうち32社が削減目標を設定していることが明らかになった。また、多くの企業が、食品セクターにおける排出量削減のための効果的な戦略のより重要な要素を報告しており、その中には、排出量削減目標をどのように達成するかを定量化した企業も含まれている。
気候変動移行計画を公表しようという企業の機運は、気候変動や自然リスクの深刻化に対する意識の高まり、世界各国で採用されつつある新たな情報開示規制、気候変動に配慮した製品を求める消費者の需要、さらにはより多くの情報を求める投資家からの圧力によって拍車がかかっている。例えば、ダーデン・レストランツは、株主決議が大きな支持を得た後、2023年10月に初めてスコープ3の全排出量を開示した。
業種別では、食品小売業が比較的遅れている状況。サプライチェーンからの排出量を開示し、その削減目標を設定している小売企業12社のうち4社のみであり、排出量に対する取り組みが依然として遅れていることが判明した。しかし、コストコが購入商品やサービスからのスコープ3排出量を開示するなど、いくつかの大手小売企業は、初めて気候変動移行計画の要素を報告した。
【参照ページ】
(原文)Food sector makes measured progress toward aligning with a net zero economy, but more urgent action needed
(日本語参考訳)Ceres調査:食品部門はネット・ゼロ経済への整合に向けて一定の前進を遂げたが、より緊急の行動が必要