BASFとhydroGEOPHYSICSコンサルティング、新規採掘技術による銅の二次回収強化で提携

2月6日、化学世界大手独BASFとオランダ物理探査技術hydroGEOPHYSICSコンサルティング(HGI)は、鉱物処理、水力冶金、深井戸注入の専門知識を組み合わせることを目的とした独占的パートナーシップを発表した。 本提携は、HGIの物理学的技術を活用し、ヒープ内の回収率の低いエリアを特定することで、鉱業における銅抽出を最適化することを目的としている。銅抽出の大幅な向上を促進するために、BASFの新しいLixTRA浸出助剤を組み込んだ深井戸注入プログラムを設計・実施する予定。

伝統的なエンドユーザー市場とグリーンエネルギーへの移行の両方によって銅の需要が増加しているため、新しい鉱山の必要性が高まっている。 しかし、鉱石の品位低下、コスト上昇、ESG(環境・社会・ガバナンス)責任といった課題によって、中長期的な鉱山供給は制限されており、その結果、供給不足が大きく迫っている。

ヒープリーチプロセスは、低品位の鉱石をライナーの上に積み上げ、液化剤(通常は酸)をヒープに垂らし、銅を溶かして溶液にするもので、銅の抽出にコスト効率のよい方法を提供する。 しかし、ヒープが均一でないため、鉱石が圧縮され、液化剤の浸透が悪くなり、その結果、金属回収が最適でなくなることがよくある。

HGIは、ヒープの構造的構成要素を特徴付けるために最先端の物理学的技術を採用し、目標とするリクシビアント注入井戸の設計、操業、モニタリングを可能にしている。 BASFのLixTRA浸出助剤を添加することで、鉱石とリクシビアの接触が促進され、最終的に銅の溶解が促進され、金属回収が増加。 顧客のサイトでの最初の結果では、試験期間中に銅の回収率が20%増加したことが実証された。

【参照ページ】
(原文)BASF and hydroGEOPHYSICS Consulting, partner to enhance secondary copper recovery through novel mining technologies
(日本語参考訳)BASFとhydroGEOPHYSICSコンサルティング、新規採掘技術による銅の二次回収強化で提携

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る