2月6日、EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は、ネット・ゼロ産業法案で政治的合意に達した。これにより、双方での立法手続きが開始される。
本法案は、米国でインフレ抑制法が制定されたことを受け、欧州委員会が欧州での産業転換を加速するために提案したものである。主な内容は以下の通りである。
- ネット・ゼロ技術のEU統一リスト「戦略的ネット・ゼロ技術」の作成。
- リスト入りした技術分野での政策を法定化し、EU域内生産量の増加を目指す。
- 戦略的プロジェクトに関する許認可手続きの簡素化と投資要件の緩和。
- 「ネット・ゼロ産業アカデミー」の創設と労働力確保の促進。
- 産業地帯全体でのカーボンニュートラル化を進める「ネット・ゼロ産業バレー」構想の創設。
- 公共調達活用における要求事項の透明性と実施可能性の確保。
- 大規模プラントや製造ラインの建設または拡張のための許可証交付期限の設定。
- 再生可能エネルギー導入オークションにおける環境サステナビリティやイノベーションへの貢献の価格とは関係のない要件の適用。
これらの措置を通じて、EUはネット・ゼロ産業の実現に向けた取り組みを強化し、持続可能な未来を目指す。
【参照ページ】
(原文)Net-Zero Industry Act: Council and Parliament strike a deal to boost EU’s green industry