2月15日、JPモルガン・アセット・マネジメント(JPMAM)は、温室効果ガス排出量の削減や気候変動対策の実施に取り組む企業とのエンゲージメントに焦点を当てた気候変動に特化した投資家ネットワークであるクライメート・アクション100+から脱退した。
JPMAMの広報担当者の声明によると、今回の決定は、社内のエンゲージメント能力が向上し、独自に行動できるようになったことを受けたものである。
2017年に発足した「クライメート・アクション100+」は、世界最大の温室効果ガス(GHG)排出企業を対象とした投資家イニシアティブ。気候変動に対して必要な行動を取ることを促進し、世界の平均気温上昇を1.5度に抑えるために、事業戦略をネット・ゼロに合わせることを目的としている。同ネットワークは、68兆ドル以上の資産に相当する700以上の投資家を含むまでに成長した。
しかし、同グループは反ESGの政治家の重要な標的にもなっており、メンバーがエネルギー企業を「ボイコット」しているという主張を煽っている。昨年、米国共和党の州検事総長グループは、「クライメート・アクション100+」のようなグループへの参加は、投資家の受託者責任の遵守や独占禁止規則の遵守に懸念をもたらすと警告する書簡を大手資産運用会社に送った。
同様にテキサス州は、「エネルギー企業をボイコットする金融会社」のリストを作成する際に、「クライメート・アクション100+」への参加を基準の一部として挙げており、一連の資産運用会社にダイベストメントを勧告する際に引用している。
JPモルガン・アセット・マネジメントは、気候変動を投資管理上の6つの主要な優先事項の1つとして挙げており、同社は2022年に780件を超える気候変動に焦点を当てた取り組みに関与した。
【参照ページ】
(原文)JPMorgan and State Street quit climate group as BlackRock scales back
(日本語参考訳)JPモルガンとステート・ストリートが気候変動グループから離脱、ブラックロックは規模縮小へ