2月7日、欧州議会と欧州理事会の議員らは、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に基づき、企業がセクター別のサステナビリティ開示を提供するための基準およびEU域外企業のサステナビリティ報告のための基準の採用を延期する指令について暫定合意に達したと発表した。
今回の合意は、企業が報告要件の増加に備え、また欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)が新基準を策定するための準備期間を確保することを目的としたもので、延期案に同意する一方、新セクターの基準は、2026年の新たな期限までに準備が整い次第公表するよう求めている。
この延期は、EU委員会が2024年委員会作業計画の一環として10月に提案したもので、同委員会は、企業の報告負担の軽減を優先事項のひとつとし、セクター別欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の採択期限の延期を重要なアクションのひとつとして挙げていた。
ESRSは、EUのCSRDに基づき、企業がサステナビリティに関連する影響、機会、リスクについて報告するための規則と要件を定めたもので、2024年初めから適用が開始される。
2023年7月に欧州委員会が採択したESRSの最初の規則は、セクターにとらわれないサステナビリティ報告要件を定めたもので、CSRDはその後、2024年6月末までにセクター別のESRSを採択し、企業が事業展開する産業に関連するサステナビリティ情報を報告するよう求めている。
CSRDには、EU域内で事業を展開するEU域外の大企業に対するサステナビリティ報告義務も盛り込まれている。これらの企業に適用される規則のESRS採用も、当初は2024年6月末を予定していたが、報告義務は2028年に開始されることになった。
欧州委員会は、企業が最初のESRSの導入と報告要件の制限に集中できるようにし、また、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)が新基準を策定するための時間を確保するため、これらの基準の採用を2年遅らせるよう勧告した。
今回の合意は、新基準の採用を延期する指令の可決に向けた最後の主要なステップのひとつとなるもので、今後はEU理事会と議会による正式な採択が必要となる。