2月5日、標準化されたESG報告書を推進する主要組織のひとつであるグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)は、鉱業セクターの企業が、排出量や生物多様性から地域社会への影響や人権に至るまで、幅広いサステナビリティへの影響について開示できるようにすることを目的とした、新しい鉱業セクター報告基準を発表した。
GRIによると、本基準は、鉱業セクターの持続可能な開発への影響と貢献について透明性を求める幅広いステークホルダーの要求の中で生まれたもので、鉱業セクターは、その事業が人々や環境に与える影響について説明責任を果たす必要性と、社会から信頼される鉱物や金属の供給源としての重要な役割のバランスをとっている。
新基準「 GRI 14: Mining Sector 2024」は、2021年に石油・ガスセクター、2022年に農業・養殖・漁業セクターを対象とした最初のセクター基準を公表したのに続き、GRIが計画しているセクター報告基準のシリーズ第4弾となる。GRIは、最も影響の大きいセクターから順に、40セクターの基準を開発することを目指している。
GRIの新しい鉱業基準は、鉱業セクターの企業にとって重要と思われる25のトピックを取り上げており、排出、廃棄物、土地の人権、資源の権利、気候変動、児童労働、腐敗防止、コミュニティ参画など重要なテーマを網羅し、利害関係者が場所や特定の鉱物ごとの影響やリスクを評価できるよう、サイトレベルの透明性に期待をかけている。新基準が対象とするトピックには、これまでGRIが取り上げてこなかった鉱滓管理、職人的小規模採掘、紛争地域での操業の3つが含まれる。この基準は、探鉱・採掘、一次加工、関連支援サービスを含む、採鉱・採石に従事するすべての組織に適用される。
GRIによると、本基準は、企業、投資家、労働団体、市民社会、仲介機関の利害関係者からなる独立したグループによって策定され、採取産業透明性イニシアティブ(EITI)、責任ある採掘保証のためのイニシアティブ(IRMA)、国際鉱業金属評議会(ICMM)、銅マーク、OECD、鉱滓管理に関する世界業界基準(GISTM)からのインプットを得て、責任ある採掘ガイダンスや関連基準からの期待を取り入れたものであるという。
【参照ページ】
(原文)GRI、鉱業セクターのサステナビリティ報告基準を発表
(日本語参考訳)GRI、鉱業セクターのサステナビリティ報告基準を発表