1月18日、欧州議会と欧州理事会の議員らは、2040年までに大型トラックの排出ガスを90%削減することを求めるなど、大型車の排出ガス基準を強化する新規則案について暫定合意に達したと発表した。
また、2030年からは45%、2035年からは65%の排出量削減が暫定的な要件として追加される。
今回の合意は、欧州委員会が2023年2月に大型車(HDV)のCO2排出基準の改定を提案したことを受けたものである。トラックとバスは、EUにおける温室効果ガス(GHG)総排出量の6%以上を占め、道路輸送によるGHG排出量の25%以上を占めている。
欧州委員会の初期提案に対する今回の合意で最も重要な修正点は、規制の適用範囲を拡大し、小型トラック、都市バス、コーチ、トレーラーなど、ほぼすべてのHDVを排出削減目標の対象とする一方、少量生産業者や鉱業、林業、農業に使用される車両、軍隊、消防、市民保護、公の秩序、医療に使用される車両などの適用除外を認めることである。さらに協定は、2035年以降、規制の範囲をゴミ収集車やコンクリートミキサーなどの職業用車両にまで拡大する一方、都市バスについては2035年の100%ゼロエミッション目標、2030年の中間目標90%を導入する。
本合意には、欧州委員会に対し、2027年に改正された規制の有効性と影響を見直すよう求める内容も含まれている。これには、新型HDVのライフサイクル全体のCO2排出量を評価・報告するための共通手法の開発の可能性の評価、再生可能燃料やカーボンニュートラルなE燃料を車両移行ミックスに含めることを可能にするための炭素補正係数(CCF)の導入の潜在的役割の検討、CO2ニュートラル燃料のみで走行するHDVを登録するための手法の役割の評価などが含まれる。
暫定的な合意に達したため、新規則は理事会の加盟国代表と国会の環境委員会の承認を経て、発効前に国会と理事会で正式に採択される必要がある。