1月11日、国際エネルギー機関(IEA)が発表した新たな報告書によると、2023年の再生可能エネルギー容量は過去数十年で最も力強い伸びを示し、世界全体の容量は2022年比で50%増の510GWとなった。
過去1年間に見られた劇的な増加により、「自然エネルギー2023」報告書によると、世界は現在、2030年までに自然エネルギー容量を2.5倍増加させる勢いであり、COP28気候変動枠組条約締約国会議(COP28)で設定された、10年末までに自然エネルギー容量を3倍に増加させるという世界目標に手が届くところまで来ている。
報告書によると、中国は世界の自然エネルギー増加の主要な原動力であり、過去1年間に、2022年に全世界で託送された太陽光発電容量と同量の太陽光発電容量を追加し、同時に風力発電の追加容量も3分の2近く増加した。中国はまた、IEAの自然エネルギー予測上方修正の90%近くを占めており、太陽光発電容量が増加の大部分を占めている。
再生可能エネルギー容量が記録的に増加したその他の地域には、米国、EU、ブラジルが含まれ、それぞ れの地域でも2023年から2028年にかけて太陽光発電と風力発電の導入量が5年前の2倍以上になると予想されている。
IEAの予測によれば、2023年に世界で増加した発電容量のうち、種類別では太陽光発電が大部分(約4分の3)を占めたが、今後は太陽光発電と陸上風力発電の新設コストが低下し、その競争力が高まると見られており、2028年までに新設される発電所では、ほぼすべての風力発電と太陽光発電の発電コストが石炭や天然ガスの代替エネルギーよりも低くなると予想されている。これとは対照的に、IEAの2028年までの洋上風力発電の見通しは、中国以外の地域で15%下方修正された。投資コストの上昇により、2023年には15GWのプロジェクトが中止または延期されたためである。
同報告書はまた、2030年までに自然エネルギー容量を3倍にするというCOP28の目標を達成するために取り組むべき主要な課題として、政策の不確実性や新たなマクロ経済への政策対応の遅れ、自然エネルギーの迅速な拡大を妨げている送電網インフラへの不十分な投資、行政上の障壁や煩雑な許認可手続き、新興国や発展途上国における不十分な資金調達などを取り上げている。
【参照ページ】
(原文)2023 marks a step change for renewable power growth over the next five years
(日本語参考訳)再生可能エネルギー、「2023年に50%成長、2025年には石炭を追い抜く勢い」 IEAが発表