世界経済フォーラム、ガバナンス・サミットで責任あるAI開発を推進

11月17日、世界経済フォーラム(WEF)は、AIガバナンス・サミットを開催し、同フォーラムのAIガバナンス・アライアンス(AIGA)や広範な人工知能コミュニティから200人以上の影響力のあるリーダーが一堂に会した。洞察の交換を行い、世界規模での生成型AIの責任ある開発と展開を促進するための行動計画の策定に向けて協力した。

本イベントは、2023年4月に開催された第1回責任あるAIリーダーシップ会議に続くもの。本会議の議事録は、責任あるジェネレーティブAIに関するプレシディオ勧告の発表とAIガバナンス・アライアンスの設立につながり、AI分野における継続的な進展の基礎を築いた。

政府、企業、学術界、市民社会からの参加者は、農業やヘルスケアへの応用など、多様な分野にAIを統合する絶大な機会を強調した。また、安全性を含む潜在的なリスクを軽減するため、世界的な倫理基準に沿った責任ある開発と展開が急務であることも強調された。主な議題には、適応性と相互運用性のある規制の枠組みや、調和された基準などが含まれた。

また、技術先進国の枠を超えた対話も実施。参加者は、AI開発の恩恵を先進国だけでなく、独立したAIモデルの実装やトレーニングの能力が現在不足している発展途上国や地域にも確実に行き渡らせるための戦略を積極的に検討した。デジタルデバイドを解消するため、参加者はデータ、クラウド、コンピューティングといった重要なインフラへのアクセス向上と、より良いトレーニングや教育のための必要な基盤整備を求めた。

会議の主な成果は以下の通りである。

  • オープンソースとイノベーションの議論の中心を認識し、リスク、透明性、ガバナンスに関する懸念を含む基盤モデルのリリースに対する監視の強化に対処する
  • 重要なデジタルリソースとAIリソースへのグローバルなアクセスを促進する。
  • データ、クラウドサービス、計算能力、トレーニングインフラがデジタルデバイドの解消に不可欠であることを認識する
  • グローバルなAIガバナンスを推進し、適応可能な規制を策定し、基準を調和させ、効果的な国際的メカニズムのための継続的な議論を促進する

【参照ページ】
(原文)Global Leaders Advance Responsible AI Development at Governance Summit
(日本語参考訳)世界経済フォーラム、ガバナンス・サミットで責任あるAI開発を推進

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