11月15日、米ジョー・バイデン大統領と中国の習近平国家主席は、米カリフォルニア州ウッドサイドで首脳会談を開催した。
バイデン大統領は、米国と中国が競争関係にあることを強調した。米国は自国における投資を続け、世界中の同盟国やパートナーと連携していく。また、米国は常に自国の利益、価値観、そして同盟国やパートナーのために立ち上がることも強調。世界は米中が責任を持って競争を管理し、対立や衝突、新たな冷戦に陥ることを防ぐことを期待していることについても繰り返し述べた。
習国家主席は、世界は100年に一度の大きな変化を経験しており、中国と米国には2つの選択肢があると指摘。一方は連帯と協力を強化し、世界の安全と繁栄を促進する道であり、もう一方は、ゼロサム思考を受け入れ、陣営間の対立をあおり、世界を混乱と分裂に導く道である。また、中国と米国が互いを相手にしないことは不可能であり、対立や衝突の結果は誰にとっても耐え難いものとなるとも伝えた。
各議題では、両首脳は、今後の重要な10年間に気候変動対策を加速させるために協力することが重要との考えで一致した。両首脳は、2020年代の排出量削減のための各国行動、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)の成功に向けた共通のアプローチ、具体的な気候変動行動を加速させるための2020年代の気候変動行動強化に関する作業部会の運営等、最近の両国の気候担当特使間の前向きな議論を歓迎した。バイデン大統領は、米国は中国と協力し、発展途上国や新興国における健康安全保障や債務、気候変動資金といった国境を越えた課題に取り組む用意があると述べた。
人権に関してバイデン大統領は、全ての国が人権の普遍性と国際的な人権に関するコミットメントを尊重すべきと強調。新疆ウイグル自治区、チベット自治区、香港を含む中国による人権侵害についての懸念を表明した。台湾については、両岸の相違は平和的手段によって解決されることを期待し、世界は台湾海峡の平和と安定に関心を持っていると繰り返し述べ、中国による台湾海峡およびその周辺での軍事活動の自制を求めた。これに対し、習国家主席は、台湾問題は常に中米関係における最も重要で敏感な問題と指摘。米国は台湾の独立を支持しないという声明を具体的な行動に移し、台湾への武器支援を中止し、中国の平和的統一を支持すべきとした。
【参照ページ】
(原文)Readout of President Joe Biden’s Meeting with President Xi Jinping of the People’s Republic of China
(日本語参考訳)習近平とバイデン米大統領、米中首脳会談を開催