PRI、ESG投資の「進化(プログレッション)」パスウェイの策定作業開始

10月24日、国連責任投資原則(PRI)が、ESG(Environmental, Social, and Governance)投資の進化を支援する「プログレッション・パスウェイ」フレームワークの共同設計作業を開始した。本フレームワークの背後には、PRIの創設以来、ESG投資の普及や規制の整備などにより、ESG投資の本質が変化してきたという認識がある。また、ESG投資の概念について署名機関間での意見の多様性があるため、PRIはこれらの議論を整理しようとしている。

「プログレッション・パスウェイ」は、特に社会および環境への投資の影響の測定に焦点を当てており、PRIの署名機関向けの意見募集では、95%の回答者がESG投資の進化に期待し、83%がプログレッションの適切な表現が必要であると認識している。

このフレームワークの一部として、PRIは「プログレッション」に関連する2つの整理を計画している。1つは、投資決定とエンゲージメント(企業への積極的な関与)における影響の扱いに関するもので、3つの異なるアプローチ(パスウェイA、B、C)を提供している。それぞれのアプローチは、財務リターンとポジティブな社会・環境インパクトに焦点を当てており、署名機関が自身の進化の道筋を選ぶことができる。

PRIの年次総会「PRI in Person」では、これらのアプローチについて異なる名前が提案されたが、混乱を招く可能性があるという意見もあり、最終的なネーミングについては決まっていない。

さらに、気候変動、人権、生物多様性などのテーマ別の進化の道筋についても、実践レベルに合わせたロードマップを提供する予定である。

PRIは、このフレームワークの策定に署名機関と協力し、必須ではなく、任意で参照できるツールとして提供する意向を示している。

【参照ページ】
(原文)PRI introduces Progression Pathways, a step-by-step journey to support progress on responsible investment practices
(日本語参考訳)PRI、責任投資慣行の進展を支援する段階的な旅「プログレッション・パスウェイ」を導入

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESGセミナー・イベント一覧(2024年11月以降)

    2024-11-18

    ESGセミナー・イベント一覧(2024年11月以降)

    サステナビリティを推進には新しい知見の収集が必須。しかし、必要なセミナー情報を見つけるのに時間がか…
  2. ISSA5000とサステナビリティ保証:企業が今すぐ始めるべき対応ポイント

    2024-11-18

    ISSA5000とサステナビリティ保証:企業が今すぐ始めるべき対応ポイント(再掲)

    サステナビリティ情報、非財務情報、ESGデータなど企業のサステナビリティの取り組みを示す情報は、投…
  3. 2024-11-15

    【PR】12/3 記念イベントESG評価スコア改善『S&Pに聞く!2025年に向けたCSA徹底解剖』 (オンライン)

    いつもESG Journal Japanをご覧いただきましてありがとうございます。 ESG評…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る