DWSとMEAG、バイオメタン製造会社Weltecを買収

DWSとMEAG、バイオメタン製造会社Weltecを買収

10月30日、欧州最大級の資産運用会社であるDWSと、ミュンヘン再保険およびERGOの資産運用会社であるMEAGは、ドイツのバイオメタン・バイオガス製造会社Weltecの共同買収を発表した。

ニーダーザクセン州ヴェヒタを拠点とするWeltecは、ドイツ全土で5つのバイオメタンガスと4つのバイオガスプラントを所有・運営している。

バイオガスは、農業廃棄物、産業廃棄物、家庭廃棄物などの有機廃棄物から、廃棄物施設や埋立地の嫌気性消化槽で生産され、さらに処理されてバイオメタン/バイオLNGが生産される。バイオメタンは化学的には化石ベースの天然ガスと同じだが、生涯温室効果ガス排出量が大幅に少ないため、既存の送配電インフラ部門を交換することなく、道路輸送や重工業など脱炭素化が困難な部門を支援することができる。

両社によると、今回の買収は、欧州のバイオメタン市場が急拡大する中で行われたもの。クリーンエネルギーの生産能力を増強し、ロシアの化石燃料への依存を急速に減らすEU戦略であるRePowerEU計画によると、生産量は2030年までに10倍に拡大する予定である。

DWSとMEAGの下で、Weltecはバイオメタン生産量を大幅に増加させるための投資を目指しており、これにはバイオガスを生産するためのバイオガスプラントのアップグレードや、プラントの原料構成を持続可能な廃棄物ベースのものに移行することも含まれる。Weltecによると、二酸化炭素排出量をさらに削減するため、CO2液化技術の導入も投資対象に含まれる。

DWSの投資は、3番目の機関投資家向け汎欧州インフラファンド(PEIF III)を代表して行われた。2019年に開始された本ファンドは、2021年の最終クローズ時に30億ユーロ(約4,816億円)を調達した。

【参照ページ】
(参考記事)DWS and MEAG acquire German biomethane producer Weltec

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESMAのESG評価機関規則がもたらす変化と企業への影響(26年7月適用)

    2025-6-30

    ESMAのESG評価機関規則がもたらす変化と企業への影響(26年7月適用)

    2025年6月20日、欧州証券市場監督局(ESMA)が策定を進める新たなESG評価規則「Regul…
  2. 2025-6-26

    EU炭素国境措置、簡素化で合意 中小企業の9割が対象外に

    6月13日、欧州議会とEU理事会は、域外からの輸入品に事実上の炭素税を課す「炭素国境調整メカニズム…
  3. 2025-6-25

    IFRS財団、ISSB基準の実務導入を支援する新eラーニングモジュールを公開

    6月13日、IFRS財団は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が策定した基準の理解と導入を…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る