10月18日、バイデン政権は、全米の電力網の回復力と信頼性を強化し、よりクリーンで低コストのエネルギーの導入を可能にすることを目的としたプロジェクトに対し、35億ドル(約5,250億円)を授与することを発表した。
新たな投資は超党派インフラ法によって賄われるもので、プロジェクトは80億ドル(約1兆円)以上の連邦および民間投資を活用する見込みである。
今回の発表は、電力網への投資不足が世界的な気候変動目標の達成に向けた大きな障壁となる恐れがあることを受けてのもの。国際エネルギー機関(IEA)が今週初めに発表した報告書によると、気温上昇を1.5℃に抑えるというパリ協定の目標を達成し、新たな再生可能エネルギー容量の導入増加に対応するためには、2040年までに世界全体で8000万kmの送電線を増設または交換する必要があり、その投資額は2030年までに年間6000億ドル(約89兆円)超に倍増するという。
本プログラムは、自然災害や異常気象の影響を軽減し、送電網の信頼性、柔軟性、効率性を高めることで太陽光、風力、その他のクリーンエネルギー源を開放し、送電、蓄電、配電に革新的なアプローチを導入するための活動に資金を提供するものである。
米エネルギー省(DOE)によると、本投資は35GW以上の新しい再生可能エネルギーのオンライン化と400のマイクログリッドへの投資を支援する。本プロジェクトはまた、クリーンエネルギー投資の利益の40%を不利な立場にある地域社会や気候変動による最悪の影響を受けている地域社会に向けることを目標とする、政権の「Justice40」イニシアティブを支援するものである。
【参照ページ】
(原文)Biden-Harris Administration Announces $3.5 Billion for Largest Ever Investment in America’s Electric Grid, Deploying More Clean Energy, Lowering Costs, and Creating Union Jobs
(日本語参考訳)バイデン政権、5,000億円超の電力網投資を発表