10月19日、ロジスティクス業界の大手であるDHL Expressは、クリーンエネルギーおよび再生可能燃料のプロバイダーであるWorld Energyと、持続可能な航空燃料証書(SAFc)を通じて約6億6,800万リットルの持続可能な航空燃料(SAF)を購入する新たな長期契約を締結したことを発表した。
2030年までの7年間にわたる本契約は、航空業界におけるSAFc契約としては過去最大規模のものとなる。
SAFの使用を拡大することは、DHLのサステナビリティ・ロードマップの重要な部分を形成している。2021年に発表されたこのロードマップには、より野心的な気候変動目標の導入や、役員報酬とESG目標の関連付けなど、脱炭素化と環境サステナビリティに関する一連のコミットメントが含まれている。DHLの目標には、2030年までにすべての航空輸送に少なくとも30%のSAF混合燃料を使用することが含まれています。
DHL Expressは昨年、サプライヤーであるbpとNesteから今後5年間で8億リットルを超えるSAFを調達するという、過去最大規模のSAF取引に合意した。また、DHLは最近、SAFの使用による航空旅客の排出量削減を追跡・報告する新しいシステムを開拓し、テストするための協力関係を結んだと発表した。
両社によると、SAFc契約は、「ブック&クレーム」方式を採用することにより、燃料の環境属性を燃料そのものから分離することを可能にし、各クレジットに関連する排出削減量が正確に移転され、第三者からの検証を保証する。ブック&クレーム方式はまた、燃料を実際にDHLに輸送する際の物流上の問題や排出を回避する。その代わりに、燃料はカリフォルニア州パラマウントにあるWorld Energyの生産施設に近いロサンゼルス地域の空港に供給される。World Energyはスコープ1排出量削減のクレジットを受け取り、DHLはスコープ3排出量削減の証明書を受け取る。
今回の合意により、航空燃料のライフサイクル全体で約170万トンの二酸化炭素(CO2)排出量が削減される見込みである。これは、アメリカ大陸における1年間のカーボンニュートラルなDHLのフライト約77,000便分に相当する。