10月17日、多角的なクリーンエネルギー企業であるModern Energyは、コロラド州を拠点とするグリーン水素開発企業NovoHydrogenに2,000万ドル(約29億円)の出資を行うことを発表した。この出資による資金で同社の成長とグリーン水素プロジェクトの開発を支援する。
コロラド州を拠点とするNovoHydrogenは2021年に設立され、様々な分野の顧客向けにオンサイトおよびニアサイトのグリーン水素プロジェクトを開発している。グリーン水素は、クリーンエネルギーを使用して電気分解により水分子を分解することで製造され、温室効果ガスを排出することなく、汎用性が高く、貯蔵可能で輸送可能な燃料を生産する。
水素は、クリーンなエネルギーの未来への移行における重要な構成要素のひとつである。特に、風力や太陽光のような再生可能エネルギーによる解決策が現実的でない、排出削減が困難なセクターにとって重要であると考えられている。
現在、米国では約1,000万トン、世界全体では約9,400万トンの水素が生産されているが、その大部分は化石燃料を使って採掘されているため、汚染物質や温室効果ガスが排出されている。例えば、米国の水素製造は、主に天然ガスからの水蒸気メタン改質による抽出に基づいており、現在、年間約1億トンの温室効果ガスを排出している。
NovoHydrogenによると、この新しい資本により、同社は引き続きチームを強化し、グリーン水素プロジェクトの開発ポートフォリオを最終的な投資決定と建設に持ち込むことができる。Modern Energyの投資完了に先立ち、NovoHydrogenは350万ドル(約5億円)の初期シード資金を調達し、プロトン交換膜(PEM)電解槽の大手メーカーであるOhmiumと戦略的提携を結んだ。
米国では、インフレ抑制法により1kgあたり最大30ドルの生産税額控除が適用され、インフラ投資・雇用促進法ではクリーン水素ハブの開発に80億ドル(約1兆円)が提供されるなど、グリーン水素に対する規制上の支援はかなり充実している。パシフィック・ノースウエスト水素ハブのメンバーとして、NovoHydrogenも最近、エネルギー省が全米水素ネットワーク形成のために選定した7カ所のうちの1つであるこの場所の開発について、受注交渉を開始することになった。
【参照ページ】
(原文)NOVOHYDROGEN SECURES $20M EQUITY COMMITMENT FROM MODERN ENERGY
(日本語参考訳)グリーン水素スタートアップNovoHydrogen、約29億円を調達