10月2日、国際NGOのWorld Benchmarking Alliance(WBA)は、2023年版の「食料・農業ベンチマーク(Food and Agriculture Benchmark)」ランキングを発表し、農業・食料サプライチェーン分野の世界の主要企業350社のサステナビリティについて評価した。このランキングは、WBAによる2回目の発表となる。
WBAの評価は、財務的な要素ではなく、社会および環境に対する影響に焦点を当てた評価体系で、企業のコミットメントを中心に評価されている。評価方法は、ガバナンス・戦略、環境、栄養、社会インクルージョンの4つの観点から、合計46の指標で評価される。この方法論は前回から変更が加えられている。
上位ランキングは、1位がユニリーバ、2位がネスレ、3位がダノン、4位がOCPとなり、前回と同様の順位である。5位にはバイエルがランクインした。それ以降、セインズベリー、テスコ、DSM、ケリー・グループ、チャロン・ポカパン(CP)グループと続いている。40点以上を獲得した企業は28社である。
日本企業においては、前回90位だった味の素が16位に上昇し、明治ホールディングスが日本企業で2番目の37位、キリンホールディングスが前回の首位から38位となった。他には、不二製油グループ本社48位、サントリーホールディングス64位、アサヒグループホールディングス71位、セブン&アイ・ホールディングス82位、日清製粉グループ本社92位、日本水産104位、三井物産125位、イオン137位、住友化学138位、伊藤忠商事147位、三菱商事153位、雪印メグミルク161位、ニチレイ164位、キューピー170位、丸紅193位、ロッテ198位、日本ハム201位、キッコーマン210位、マルハニチロ225位、江崎グリコ232位、伊藤ハム米久ホールディングス237位、極洋239位、スターゼン282位、ゼンショーホールディングス313位、全国農業協同組合連合会(JA全農)319位となった。一方、OUGホールディングス、東京青果、山崎製パンは0点で最下位となった。
全体的な傾向として、農業・食料サプライチェーン企業は行動が不十分であると指摘されている。特にサプライチェーンにおける生活賃金対策を進めている企業は4%未満、2025年までに森林破壊ゼロを目指す企業は6%しか存在しないという結果が示された。
「食料・農業ベンチマーク」のデータは一般に公開されており、幅広いステークホルダーによるデータの活用が奨励されている。
【参照ページ】
(原文)Research finds more than 90% of food and agriculture companies don’t do enough to farm sustainably or provide healthy food
(日本語参考訳)食品・農業関連企業の90%以上が、持続可能な農業や健康的な食品を提供するために十分な努力をしていないという調査結果が発表された。