9月14日、国連責任投資原則(PRI)は、ダイレクト・レンディングにおける責任投資慣行の拡大に関する新たな報告書を発表した。2019年のプライベート・デット市場に関するPRIの最初の報告書を踏まえ、アセットオーナーやマネジャーがどのようにプライベート・デットの実務に責任投資を組み込んでいるかについてまとめた今年の報告書は、責任投資実務と直接融資の両方が成長を続ける中、新たな分析と実行可能な提言を提供している。プライベート・デット投資家の所有権は他の資産クラスとは異なっており、本報告書では、プライベート・デット特有のツールの1つであるインセンティブ付与が、責任投資のための強力な道筋を提供していることを明らかにしている。
本報告書は、「ESGデータの改善」「エンゲージメントとサステナビリティに連動した融資」「気候変動リスクとターゲット」の3つの主要テーマに焦点を当てている。
報告書には、報告書から得られた知見を受けて、署名企業がどのような行動を取ることができるかについての提言が含まれている。これらの提言には、融資文書に標準化されたESG条項の設定、一貫したKPIとインセンティブの方法の策定、ポートフォリオ全体の気候変動対応の策定策定、借り手のデータ収集とモニタリングの標準化への積極的な支援などが含まれる。
プライベート・デットの運用資産残高(AUM)は、2008年以来ほぼ5倍に増加し、現在14億ドル(約2,000億円)近くに達しており、2027年までの年平均成長率は11%と予想されている。
【参照ページ】
(原文)New PRI report outlines progress on responsible investment practices in private debt and direct lending
(日本語参考訳)PRI、ダイレクト・レンディングにおけるESG実践ガイドを公表