SEC、ESGラベル付きファンドにテーマに沿った80%の投資を義務付ける規則を採択

SEC、ESGラベル付きファンドにテーマに沿った80%の投資を義務付ける規則を採択

9月20日、米国証券取引委員会(SEC)は、ESGまたは持続可能性に関連する要素に重点を置いた投資を示唆する名称のファンドに対し、資産価値の80%以上をそれらの要素に従って投資することを義務付ける新規則の採用を発表した。

今回のSECの措置は、2001年に初めて採用された欧州委員会の「名称規則」の修正で構成されており、ファンドの名称が固有の投資対象やリスクを誤って説明することを防ぐための措置として、特定の種類の投資に重点を置くことを示唆する名称を持つ投資会社に対し、資産価値の少なくとも80%をそれらの投資に投資する方針を採用するよう求めるものであった。

今回採択された改正は、この80%ルールを拡大し、特定の特徴を持つ投資への注力を示唆する名称のファンドに適用するものである。ESGファンドだけに適用されるわけではなく、例えば「グロース」や「バリュー」と表示されたファンドも含まれることになるが、最終規則はESGファンドに重点を置いており、ESG戦略を提供するファンドに対する投資家の関心が急速に高まり、そのようなファンドが急増していること、またESG関連の用語が多岐にわたり投資家の期待も進化していることから、グリーンウォッシュの可能性が高まっていることを指摘している。

最終規則では、”サステナブル “や “グリーン “といったESG関連用語の使用は、”投資家保護に関する特別な懸念 “をもたらすと指摘した。”投資戦略においてESG要素を考慮するファンドは、独自の考慮を伴うテーマ分野を構成しており、投資家を引き付けるためにファンド名に特に強力な用語を使用する可能性がある “としている。

最終規則には、”ESG統合ファンド “の名称にESG用語を使用することを “著しく欺瞞的で誤解を招く “と定義する最初の提案の措置は含まれていない。ESG統合ファンドは、投資判断においてESG要因を他の非ESG要因とともに考慮するが、ESG要因が他の要因よりも重要であることはない。新ルールを発表した声明の中で、ゲンスラーはこの提案の側面はまだ検討中であると述べた。

【参照ページ】
(原文)SEC Adopts Rule Enhancements to Prevent Misleading or Deceptive Investment Fund Names
(日本語参考訳)SEC、ESGラベル付きファンドにテーマに沿った80%の投資を義務付ける規則を採択

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