9月20日、IBMは、ESGデータ収集・分析・報告プラットフォーム「IBM Envizi ESG Suite」に自然言語処理(NLP)を統合し、組織のスコープ3温室効果ガス(GHG)排出量の把握・計算・分析能力を大幅に強化したことを発表した。
新機能は、EUのCSRDやIFRSのISSB基準などの新たなサステナビリティ報告基準がスコープ3の開示を要求しており、企業がスコープ3の排出量、つまり上流と下流のバリュー・チェーンに由来する排出量を報告するよう、世界的に規制圧力が高まっていることに対応するものである。
スコープ3排出量は、多くの企業のカーボン・フットプリントの大部分を占めることが多いが、企業が直接管理できない領域で発生するため、追跡・報告するのが最も難しいのが一般的である。新機能のリリースと同時に、IBMはグローバル・ビジネス・リーダーを対象とした調査結果を発表した。
IBMは、AIを活用したESGソリューション能力を強化する取り組みの一環として、2022年にEnviziを買収した。IBM Enviziスイートはすでにすべてのスコープ3排出量カテゴリーをカバーしているが、NLPのテキスト分類機能を統合することで、”効率と精度の飛躍的向上を可能にする “と同社は述べている。
IBMは新機能によって、財務システムやERPシステムから引き出された支出データの分類が可能になると付け加えた。
IBMはまた、IBM Enviziに支出ベースの排出係数ライブラリーを追加し、180カ国以上で調和させることで、組織が購入した商品やサービスのスコープ3計算を迅速、正確、効率的に行えるよう支援すると述べた。
【参照ページ】
(原文)IBM Brings New Capabilities to its Sustainability Software to Help Organizations Accurately and Efficiently Operationalize Scope 3 Greenhouse Gas Emissions Insights
(日本語参考訳)IBM、サステナビリティ・ソフトウェアに新機能を追加し、企業がスコープ3の温室効果ガス排出量に関する洞察を正確かつ効率的に運用できるよう支援