7月26日、国連食糧システム・サミット+2ストックテイキング・モーメント(UNFSS+2)は、2030年アジェンダの実施を進めると同時に、食糧システムを人々と地球にとってより良く機能させることを目的とした3日間の討議と協力を終え、閉幕した。国連事務総長が招集し、イタリア政府が主催した本サミットは、ローマを拠点とする国連機関(国際連合食糧農業機関、国際農業開発基金、世界食糧計画)、国連食糧システム調整ハブ、そしてより広範な国連システムとの協力の下、182カ国からの代表団、21人の世界首脳、126人の閣僚、225の非国家アクター組織、そして900人近い国連システム代表を含む3300人以上の参加者が集まり、持続可能な食糧システムに向けた取り組みを共有し、世界的な行動の舵を切った。
サミットは、100を超える自発的な報告書を通じて、各国が自国の食料システムの歩みを共有する場を提供し、その成果を語るとともに、課題を指摘した。国際社会は、特に資金調達へのアクセスにおいて進展を加速させることの重要性を強調し、危機に直面する途上国に対する債務救済と流動性拡大の緊急の必要性を強調した。
UNFSS+2は、食糧システムの変革加速のための事務総長行動要請文書「Call to Action for accelerated Food Systems Transformation」を以て結実した。本文書は、「フードシステム戦略を国家政策に組み込むこと」「社会全体からのアプローチによるフードシステム・ガバナンスを確立すること」「研究、データ、イノベーション、技術能力への投資を行うこと」「サステナビリティのためのビジネス参画と説明責任を促進すること」「女性、農民、若者、先住民族など社会から疎外されたグループの全面的な参加を含めること」「フードシステム変革のための長期的かつ譲許的な資金を確保すること」からなる6つの具体的な目標に焦点を当てている。
行動要請は、今後数年間の国連食糧システム調整ハブの優先事項の概要を示すものである。これには、包括的な国別プロセスの舵取りを行う国家食糧システム・コンベナーの能力向上に重点を置くとともに、国連機関の調整、国際的な行動連携の活用、国別および世界的な行動への支援を最適化するための他のアクターとの連携などが含まれる。ハブは、独立した科学的助言の推進を通じて、エビデンスに基づく、マルチステークホルダーによるフードシステム変革プロセスの追求を継続する。さらに、国連共同 SDGs基金(2024年末までに約140億円を確保する必要がある)の下に新設された「フードシステム変革のための窓口」 を活用し、常駐調整官、国連カントリーチーム、そしてより広範な支援のエコシステムと協力しながら、変革プロセスの迅速な推進を可能にすることが課される。
【参照ページ】
(原文)PRESS RELEASE: Global Leaders and Stakeholders Rally for Accelerated Food Systems Transformation at UN Food Systems Summit +2 Stocktaking Moment
(日本語訳)UNFSS+2、食糧システム変革加速に向け世界中の関係者が結集