9月20日、米国財務省は、ベストプラクティスを確立し、民間金融機関がネット・ゼロ・コミットメントを実施・追求する際の一貫性と信頼性を促進することを目的とした、新しい「ネット・ゼロ・ファイナンスと投資のための原則」を発表した。
自主的な原則である新原則は、金融機関の温室効果ガス(GHG)排出量の大部分を占めるスコープ3に焦点を当てている。
本原則の公表を発表した財務省の声明によると、気候危機を契機とした「大規模な経済シフト」が進行中であり、その結果、温室効果ガス(GHG)排出削減技術、商品・サービス、クリーンエネルギー、気候適応ソリューションに対する需要が、セクターを超えて高まっている。こうしたシフトが新たな産業やビジネスモデルの成長に拍車をかける一方で、こうした新産業の構築には、「この新たなクリーンエネルギー経済を構築する企業や人々に、資本や専門知識をより多く配分する民間金融システム」が必要となる、と財務省は付け加えた。
公表された9つの原則は、金融機関が設定するネット・ゼロ目標は、世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるという目標に沿ったものであるべきであり、目標にはネット・ゼロ移行計画を伴うべきであることを定めている。また、金融機関は、関連するすべての融資、投資、アドバイザリーサービスについて、信頼できる指標と目標を設定すること、顧客や投資先企業とのエンゲージメント慣行をネット・ゼロのコミットメントと整合させること、目標とそれに対する進捗状況について透明性を確保することを指針としている。
【参照ページ】
(原文)Treasury Releases Principles for Net-Zero Financing & Investment, Applauds $340 Million Philanthropic Commitment and Other Pledges
(日本語参考訳)財務省、ネット・ゼロの資金調達と投資に関する原則を発表、3億4,000万ドルの慈善活動へのコミットメントとその他の誓約を称賛